金融庁は、買い物代金を即座に預金口座から引き落とす「デビットカード」を使い、小売店のレジなどから預金を引き出すサービスを解禁する。欧米では既に同様のサービスが普及している。解禁により、現金自動預払機(ATM)の設置が少ない地方などで、預金引き出しの利便性が向上しそうだ。

 みずほ銀行は、金融庁による関連規則の改正を待って、日本独自の規格である「J―デビット」で2017年の利用開始を目指す。

 実現すれば、スーパーやコンビニエンスストアで買い物の際に、専用の読み取り端末に暗証番号を入力し、預金口座から現金を引き出すことができる。宅配業者が端末を持ち歩けば、着払い荷物の受け渡し時に、その場で預金を引き出すことも可能だ。

 ただ、ATMと異なり人の手を介するためトラブルが起こりやすくなることが懸念され、金融庁は銀行界に必要な体制整備を求める方針だ。引き出せる金額の上限や利用者保護の仕組みは、今後詰める。

 J―デビットは、キャッシュカードと一体になっているが、現金志向が根強い日本では利用が伸び悩んでいる。このため、銀行界が規制緩和を要望していた。