2015年12月31日、東京・ニコファーレにてニコニコ生放送「第66回 NHK紅白歌合戦 応援裏実況」が行われ、歌手の小林幸子が登壇した。
同放送は、タレントの松島初音やぽこたなど、niconicoでもおなじみのメンバーが「第66回 NHK紅白歌合戦」(NHK総合)を裏から実況する企画だ。その目玉は、今回、4年ぶりの紅白出場を果たす小林の紅白ステージに、同生放送で書き込んだコメントが流れるというもの。いわゆる「キター!!」などのコメントが全国放送で表わになるが、「応援裏実況」の進行を務める元NHK・中倉隆道アナウンサーも「今までのNHKの歴史で絶対ない。びっくり」と驚きを隠せない様子だった。
これまで小林は、過去の壮大なステージ衣装から「(ゲームの)ラスボスのようだ」と評され、niconicoが主宰する「ニコニコ超会議」「ニコニコ超パーティ」などに登場したり、コミックマーケットにも積極的に参加するなど、サブカルチャーについて深い理解を示している。今ケースも、小林サイドからの「『ネットのみんなの意思』を身にまとって進化した小林幸子のステージをお見せしたい」と強いプッシュから実現に至ったそうだ。
「応援裏実況」の壇上では、まるで実家さながらにこたつとみかんを用意し、出演者たちがパソコンを囲んで雑談した。また、せらみかるや5月病マリオなどniconicoで活躍する絵師たちが、実況中に紅白出場者のイラストを描く一幕もあった。
寄せられたコメントは様々だが、特に多かった時間帯は、ちびまる子ちゃんやピカチュウが登場する特別コーナー「アニメ紅白」や、「ラブライブ!」から派生した声優ユニットμ’s(ミューズ)のステージだ。niconico内でもファンの多いアニメカテゴリーの強さを見せつけた。
そして22時30分ごろ、いよいよ紅白のステージには小林が登場。紅組司会の女優・綾瀬はるかが「ラスボスの降臨です!」と紹介すると、小林は自らの身長より倍はある高さの白いドレスを身にまとい、niconicoを代表する楽曲「千本桜」を歌い始める。
すると小林の背後には巨大な「メガ幸子」が姿を見せ、“NHK公認ラスボス”の名に恥じないステージで観客を魅了した。楽曲がアップテンポになると、小林の背中から羽根が開き、そこには後光のように「さっちゃーーーーーん」などのコメントが乱れ飛ぶ。さらにコメントは、ステージ後方の巨大なディスプレイへ飛び散り、桜の弾幕とともに右から左へスクロールする。この快挙に番組出演者たちも歓声をあげていた。
その後、小林は紅白出演を終えるとニコファーレに駆けつけ、楽曲「千本桜」と「おもいで酒」を披露。
小林は「ずっとベルトで固定されていたから弾幕が見れなかったの。これから家に帰ってみようと思います」と語り、ニコ生視聴者とともに新年を祝った。番組終了後、小林は「今年は引き続きネットの世界でも新しいことにチャレンジしたい。ニコ動さんともまた何かやりたいです」と笑顔を見せた。
この初の試みは反響を呼び、コメントが約27万、ネット来場者は39万人を超えている(1月1日0時時点)。