青山学院大学が2年連続2度目の総合優勝を飾った第92回「東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」(1月2・3日)。青学の1区からの独走もさることながら、熾烈な10位までのシード権争い、無念の繰り上げスタートなどが注目を集める中、今年も“オタク選手”が箱根路を疾走し、ネット上は大盛り上がり! 以前、『箱根駅伝 2016 完全ガイド』(ベースボール・マガジン社)の選手名鑑を元に、オタク選手をピックアップした弊サイトだが(http://otapol.jp/2015/12/post-4852.html)、そのオタク選手たちの活躍、またオタク的トピックスを振り返っていきたい。
■“箱根のガルパニスト”が、あんこう踊り決定へ
“箱根のガルパニスト”こと、順天堂大学4年の稲田翔威選手。その名のとおり、熱烈な『ガールズ&パンツァー』オタの彼は、箱根駅伝前に「区間賞を取れなければ“あんこう踊り”(『ガルパン』に登場する踊り。ピンクの全身タイツを身にまとう)を披露する」という公約を掲げており、その走りに多くのガルパニストたちが注目していた。
そんな稲田選手は、3日に選手変更で復路7区に登場。9位でもらったタスキを5位まで順位を上げてつないだものの、惜しくも区間5位という結果に……。ネットでは「よく頑張った……あんこう踊り楽しみにしてるで」と声が上がる中、稲田選手もTwitterで「約束通り、あんこう踊り、やります。近日公開予定ですので、今しばらくお待ち下さい。ガルパンは待たせるのが得意ですからね!」と堂々宣言! これに『ガールズ&パンツァー』の水島努監督も「あんこう踊り、楽しみです(*^^*)」とエールを送るなど、稲田選手のあんこう踊りに注目が集まっているところだ。
ちなみに、昨年の「箱根駅伝」で4区を走った稲田選手は、2人に抜かれてしまった罰として、フィギュア2体を没収させられているが、それがきっかけでフィギュアメーカーのコトブキヤへの就職が決まっている。入社後は、社名が入ったユニホームを来て大会に出る「宣伝ランナー」となるそうなので、今後も稲田選手の走り、そしてオタクっぷりに注目だ。
■“小野田くん”が箱根の山を下り、『弱ペダ』ファンがざわつく
オタクが「小野田くん」と聞けば、『弱虫ペダル』(秋田書店)の主人公・小野田坂道を連想するのでは。『弱ペダ』の小野田くんは、坂道が得意なクライマーで、箱根で行われたインターハイでは見事な“登り”を見せている。その一方で、今年の「箱根駅伝」では、箱根の山を“下る”6区に青学1年の小野田勇次選手が登場! これに先輩の一色恭志選手もTwitterで『弱ペダ』の小野田くんのブロマイドの写メと共に「がんばれおのだくん!」とエールを送っていたが、ネットでも多くの『弱ペダ』ファンが「箱根の舞台で、小野田くんだと!」と反応することとなった。
そんな青学の“小野田くん”は、1年生にもかかわらず区間記録タイの力走。青学総合優勝を決定づけた。その後、7区の4年・小椋裕介選手にタスキをつないだのだが、これに「小野田くんが裕介先輩にタスキリレーだと!?」と、『弱ペダ』の小野田くんの先輩・巻島裕介を連想させ、興奮するファンが続出することに。しかも、文化放送の実況では、漢字こそ違うものの、槙嶋範彦アナが実況をするといった(弱ペダファンにとって)お祭りの日となった。
青学の小野田選手はまだ1年。下りのスペシャリストとして来年以降も箱根の山道を下るのかは、まだわからないが、来年も箱根路に“小野田くん”が現れれば、ネットは盛り上がるに違いない。
■“嫁”がいるとタイムが上がる説は本当……なのか!?
元東洋大学の柏原竜二(現・富士通)や元中央学院大学(現・YKK)の及川佑太など、オタク選手の中には「箱根駅伝」で記録を残し、実業団で活躍する選手も少なくない。以前、青学の原晋監督がバラエティ番組に出演した際、選手の記録が伸びるタイミングを「彼女ができた時」と発言し話題となったが、“嫁”を持つ選手もそうなのでは? 各区間5位までの選手を調べてみると、なんとオタク選手を数名確認できたので紹介していきたい。
1区では、昨年の『箱根駅伝 完全ガイド』で徳井青空が好きだと答えていた青学4年・久保田和真選手が区間賞を獲得。ちなみに、久保田選手はなかなかのイケメンなのだが、4日に出演した『PON!』(日本テレビ系)で彼女の有無を聞かれた際、「いません」と答えている。同じく1区4位の中央大学3年・町澤大雅選手は今年の『箱根駅伝 完全ガイド』によると、飯田里穂好き。言わずもがな、徳井も飯田も『ラブライブ!』のμ’sとして人気を博す声優だ。
各校のエースが揃う“花の2区”で、区間5位の走りを見せた順大1年・塩尻和也選手も“ラブライバー”。Twitterによれば、「僕はエリチ推しのラブライバーです!」とのこと。3区では、ももいろクローバーZのモノノフ(あ~りん推し)の中央学院大学4年・塩谷桂大選手が区間4位。4区では、ももクロの妹分アイドル・チームしゃちほこの咲良菜緒推しの山梨学院大学4年の田代一馬が区間5位の走りを見せた。5区では、Twitterで「目指すは芦ノ湖のラブライバー!!」と宣言した早稲田大学2年・安井雄一選手が区間5位の力走。
青学の小野田くんが注目を浴びた6区では、『ラブライブ!』をはじめ、『薄桜鬼』や『刀剣乱舞』も好きだという中央学大1年の樋口陸選手が区間3位、田村ゆかり王国民だという東洋大3年・口町亮が区間4位を記録。箱根のガルパニスト・稲田選手も走った7区では、乃木坂46の生田絵梨花推しだという明治大学4年・牟田祐樹選手が区間3位の走りを見せた。8区では、“下P”こと青学2年の下田裕太選手が区間賞の走り。声優の茅野愛衣好きの早大4年の柳利幸選手も区間3位タイを記録した。9区では、声優の竹達彩奈好きの早大3年・井戸浩貴選手が区間賞を獲得している。
結果を見てみると、ほとんどの区間の上位に“オタク選手”が見られることに。青学の原監督いわく、「彼女ができるとタイムが伸びる」とのことだが、“嫁”や“推し”でも同じことなのだろうか……。少なくとも、“嫁”や“推し”が彼らの活力になっているのは間違いではなさそうだ。
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“オタク的”に見ても楽しめる「箱根駅伝」。来年は、どんなオタク選手が箱根路にあらわれるのか、そしてどんな伝説を残してくれるのか、楽しみにしたい!