日本銀行は5日、2015年12月のマネタリーベース(日本銀行券発行高、貨幣流通高、日銀当座預金の合計値)を発表した。それによると、12月末のマネタリーベースは前月末比12兆4,638億円増の356兆1,336億円となり、2か月ぶりに前月を上回って過去最高を更新した。
○年間80兆円の増加方針を達成
2014年12月末(275兆8,740億円)と比べると80兆2,596億円増となり、日銀が目標としている年間80兆円規模で増やす方針を達成した。内訳は、日本銀行券発行高が98兆4,300億円(前月末93兆1,591億円)、貨幣流通高が4兆6,900億円(同4兆6,619億円)、日銀当座預金が253兆136億円(同245兆8,488億円)。日銀は「日銀当座預金も過去最高となっており、量的・質的金融緩和の目指しているところに沿った形となっている」と話している。
併せて発表した12月のマネタリーベース平均残高は前年同月比29.5%増の346兆3,793億円と、こちらも過去最高を更新した。内訳は、日本銀行券発行高が同6.1%増の95兆5,628億円、貨幣流通高が同0.8%増の4兆6,790億円、日銀当座預金が同42.6%増の246兆1,375億円となった。
日銀は2014年10月に追加金融緩和を実施しており、現在も大量の資金供給が続いている。
(御木本千春)