女優の土屋太鳳と俳優の満島真之介らが1月5日、都内で行われたアニメ「僕だけがいない街」の完成披露試写会に登壇した。
放映前から大きな話題を呼んでいる作品で、声優に初挑戦する土屋と満島。2人は、「悪い事」が起こる直前まで時が巻き戻る、“リバイバル”(再上映)という現象に悩まされる藤沼悟役を“2人1役”で演じた。そんな本作で悟役を演じた感想を聞かれると、土屋は「悟として生きる時間は私にとってあまりに大きな挑戦。今は緊張で透明になりそうです…!」と緊張の面持ち。そんな土屋を兄のように見守る満島は「2人で悟を演じていますが、ワクワクドキドキしています。チーム一丸となってこの作品を届けたいです」と、笑顔を見せた。
伊藤智彦監督は、今回のキャスティングとアフレコについて、「役者さんは掛け合いの芝居が真骨頂だと思うので、一人でアフレコするという状況はないようにしています。会話のシーンは必ず相手の声優さんと一緒に収録しないと、役者さんの本領が発揮できないと思っての事です」と説明。
放映に先立ち1話と2話を鑑賞した土屋は、「秘めた熱量を感じました」と話しながら、「自分への課題も感じた」と告白。「映画のアフレコは撮影した自分の動きに声を当てる作業なので、リバイバルに近い様な感じですが、アニメは命を吹き込んでいるような感覚。アフレコの現場では、みなさんの声が見えるような感じがするんです」と話し、改めて声優の難しさと繊細さを噛み締めた。
満島も同じ感覚があったようで、「普段は体と役を引き離せないですが、今回は自分のこれまで生きてきた声と悟の姿が重なった事で、人間的な深みが出たような気がします。太鳳ちゃんの悟もそこに重なって、もう一人分増えたような感覚です」とコメント。さらに「アニメでは男の役も女性が演じる事が多いから、アフレコブースには女性ばかり並んでいるのに、アフレコを始めるとちゃんと男の子がそこにいるのにびっくり!」とアニメならではの体験に新鮮さを感じたようで、土屋も「お母さん役の高山みなみさんが男の子のガヤ(その他大勢の声)をやっていて、その違いがすごかったです…!」と同意した。
そんな2人の共演者である赤崎千夏(※悟と同じピザ屋でアルバイトをしている女子高生役)は、「満島さんがムードメーカーで、現場が明るくチーム感があります!」と現場の様子を明かした。
また、もし悟のようにリバイバルできるとしたら、いつに戻りたいかと問われると、土屋は「赤ちゃんの時!よく泣く子だったそうで、声を枯らしていた様なので、あんまり泣かない方がいいよ、これから声の仕事もするからね!って伝えたい!」とコメント。
満島は「母親のお腹の中。記憶のなかった時期に今の感覚のまま戻って、母が自分にどう接してくれていたのか知りたい」と話した。
今年の抱負を聞かれ、「去年は支えてもらっている事を実感した年だったので、今年はチームを大切にして、その魅力を噛み締めたいと思います」(土屋)、「新たな挑戦となるアニメから始まるこの1年は、自分にとって大きな新たな始まりになる年。素直に、誠実に生きたいです」(満島)。
最後は「アニメだからこそのリアルな表現もあり、心がつぶれそうになる場面もありますが、だからこそ魂の暖かさを感じる作品です。大きな責任を感じていますが、観ているみなさんに鍛えていただきたい、パワーをいただきたいです。」(土屋)、「匂いや音楽で、ふと過去を思い出すことがあるように、誰もがリバイバルを経験してる。観ている人の五感を刺激する作品です」(満島)、「絵コンテからはじめて半年が経って、ようやく完成した作品。評判がよければ嬉しいです。最後まで頑張ります」(伊藤監督)とメッセージを贈り、1月7日に迫る放映開始に向けて大きな自信をのぞかせた。