【ブリュッセル時事】オランダ・ハーグにある化学兵器禁止機関(OPCW)は5日、シリアが申告し、同国から搬出された化学兵器関連物質約1300トンの廃棄作業が完了したと発表した。2013年9月の米ロによるシリアの化学兵器廃棄に関する合意から2年以上が過ぎた。
米政府は14年8月、化学兵器関連物質のうちサリンの原料など危険度の高い約600トンについて地中海の海上で処理を終えたと発表。一部の物質に関しては「劣化して危険な状態」(OPCW)にあったため、処理に時間がかかっていた。
ウズムジュOPCW事務局長は「シリアの化学兵器廃棄に向けて、重要な局面を終えることになる」と評価。一方で、「シリアで今なお有毒な化学物質が武器として使われている」と指摘した。