【ワシントン時事】オバマ米大統領は5日、ホワイトハウスで演説し、議会の判断を待たず、自らの権限で進める銃規制強化策を正式に発表した上で、「生きる権利を奪われた子どもたちのことを考えると怒りがこみ上げてくる」と涙を流して訴えた。一方、大統領選の共和党候補は「憲法違反の職権乱用」などと大統領の対応を一斉に批判。銃規制は大統領選の争点の一つに浮上した。
銃規制強化策はこれまで野放しだったインターネットやフリーマーケットを通じた銃販売にも規制の網をかけるのが柱だ。具体的にはこうした取引を行う業者にも、店舗販売の業者と同様に営業免許の取得と購入者の身元調査を義務付ける。
大統領は自らの任期中に繰り返されてきた銃乱射事件の犠牲者の遺族らが見守る中、米国では年間3万人以上が銃で命を落としていると説明。「私たちは切迫感を感じなければならない。行動しない言い訳はもうたくさんだ」と強調した。