NEWSの加藤シゲアキの同名小説を映画化した『ピンクとグレー』が1月9日(土)より公開される。「幕開けから62分後の衝撃!!」という本作のふれこみは、映画を観れば確かにうなずけるが、それ以上に、映画初主演を務めたHey! Say! JUMPの中島裕翔と、菅田将暉の輝きが、特筆すべき点である。菅田にインタビューし、本作の撮影秘話や、2016年の抱負について話を聞いた。
中島は、突如、謎の死を遂げる人気スター、白木蓮吾役。菅田は、蓮吾の死の真実を追う親友・河田大貴役に扮した。メガホンをとったのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)の行定勲監督だ。
前半で、ド直球の青春映画が展開されるが、とても気持ち良く演じられたようだ。「トラックを追いかけたり、河原をみんなで自転車で走ったりと、ベタな青春を演じるのはとても楽しかったです」。
後半では、セクシーな美女たちとたわむれるシーンもある。「あれは、一生忘れない光景です。おっぱい越しの裕翔越しのおっぱい。なかなか貴重な画でした(苦笑)。『わあ、おっぱいがいっぱいだ』という感じのすごく恥ずかしい画で、あのシーンをやれただけでも、この映画に出たかいがありました(笑)。ああなってしまうと照れる必要もなく、ただ面白くて仕方なかったです」。
実は、撮影中、別の苦労もあったようだ。「いろいろと大変でした。手で触ると年齢制限指定になるとか、ほっぺや顔におっぱいが当たるくらいならまだ良いとか。ブラックライトを使った映像だから、蛍光塗料の濃さなどもシビアに調整しないといけなかったし。でも、斬新な画になって良かったです」。
行定監督とは初タッグとなった。「かなり粘る演出をされると聞いていましたが、粘るわけではなくて、僕たちにチャンスを与えてくれているのかなと。ベターなものが撮れたとして、そこから先も回すのは、もっと可能性があるんじゃないかという信頼の回数なんだと思いました。僕らにとってそこからは自由時間に近いので、すごく楽しかったです。また、監督はお芝居が好きで、いつもニコニコ現場を見ていらっしゃいました」。
最後に、2015年を振り返りつつ、2016年の抱負についても聞いてみた。「昨年はコスプレに近いほど、いろいろな役をやらせてもらいました。うれしかったのは、この間のバラエティ番組で『菅田将暉さんの印象を町中で聞いてみました』というコーナーで、いちばん多い意見でさえ、票数が10%だったことです。明るかったり、暗かったり、ナルシストだったりとバラバラで。でも、それがすごく良かったです。
今年の目標も含め昨年感じたことは、自分の憧れているものや好きな人を、ただ置いておくだけじゃダメだなと。たとえば福田雄一監督作で、ムロツヨシさんとお仕事をした時『うわー、面白い』と構えちゃうけど、こっちはこっちでやらなきゃいけないなと思いましたし。憧れを超えていくということですね。好きだということで、留まらせない。自分が好きな人を倒していきたい。また、メディアの露出も増えたので、来年は変化球じゃなく、もっとストレートの切れ味を良くしていきたいです」。
前途洋々の表情でそう語ってくれた菅田将暉。2016年も、その伸びしろは計りしれない。まずは『ピンクとグレー』のみずみずしい菅田将暉に会いに行ってほしい。【取材・文/山崎伸子】