北朝鮮の核実験:中国ではネット民が「異常な国」など罵倒の嵐、「わが国にも責任」の声も | ニコニコニュース

サーチナ

 北朝鮮が6日に核実験を実施したことで、中国の微博(ウェイボー、中国版ツイッター)では北朝鮮を非難/罵倒する書き込みが殺到した。「中国にも責任がある」との自国批判もある。

 北朝鮮が自国の“核保有国化”を見せつけたい最も重要な相手が米国であることは間違いない。中国では南シナ海問題で米国との対立を強めており、「米国の負担を増加させる挙動」は有利なはずだが、微博において「いいね」が多い書き込みに、北朝鮮の核実験を支持する意見は見当たらない。

 中国のポータル/ニュースサイトの新浪網が公式アカウントで発表した「朝鮮(北朝鮮)が水爆実験を実施」と伝える文章に対する書き込みで、7日午前10時現在、「いいね」が最も多いのは「水爆! 心配せねばならないのはわれわれではないか。こんな危険な武器が、こんな危険な国において独裁者の手に握られている」との主張だ。

 さらに「隣には頭のおかしい奴が住んでいる。しかも、頭のおかしい奴が手に武器を持っている」だ。「中国は制裁すべきだ。北朝鮮はならずもの国家だ。いつ中国に水爆を落とすとも限らない」だ。

 中国の外交方針に対しては、「わが国にも半分以上の責任がある」、「わが国はいまだにならずもの国家をかばっている。本当に恥ずべきことだ」などと批判する意見が並んだ。

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◆解説◆


 中国政府は北朝鮮に対して「好意的」な外交姿勢を続けてきた。北朝鮮は経済面で破綻状態であり、仮に韓国主導で朝鮮半島が統一されれば、在韓米軍が中朝国境地帯に進出すると考えねばならないのが大きな理由だ。中国にとって理想の北朝鮮像とは「適度に米国や韓国、日本と対立するが、中国の言うことはよく効く子分」である国だ。

 しかし北朝鮮は、「中国はわが国に怒りを向けても、わが国をツブすことはできない」との判断で、中国の考えに反する挙動を繰り返している。

 一般の中国人も、北朝鮮を評価しない場合が多い。米国に具体的に対抗した場合に「小さな国なのに、すごい精神力だ」と称讃が集まることはあっても、基本的には「満ち足りた生活をする独裁者が、飢えた人民を踏みつけている」、「世襲制」、「極端な思想統制」の異常な国との主張だ。時おり「環境汚染がない」との指摘があるが、もちろん「経済が壊滅状態だから」といった注釈とともにだ。

 中国人の北朝鮮に対する辛辣な批判の背景には、「中国が文化大革命で犯した失敗を、まだ続けている」との見方もある。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)