早稲田大学に「バンザイ同盟」というサークルがあるのをご存じでしょうか? このサークルは名前のとおり「バンザイ」をする集団です。テレビ番組に登場したこともあるので、見たことがある人もいるでしょう。今回は、バンザイ同盟の活動内容や数え切れないほどあるというバンザイの種類などについて、第40代幹事長の相田心さんに伺いました。
■40年の歴史がある伝統のサークル
――この「早稲田大学バンザイ同盟」はいつごろからあるサークルなのでしょうか?
相田さん 一番古く活動が確認されているのは1971年です。
――そんなに前からあるサークルなのですか!?
相田さん そうなんです。当時「国際関係研究会」という部がありまして、その部の安保闘争の考察などが書かれた部誌の中に「バンザイ同盟」の名前が登場しています。それが最初にバンザイ同盟が確認された事例となっています。その後、1975年に正式に「1代目」が登場し、これが公式のバンザイ同盟の始まりになっています。
――ということは40年の歴史があるということですね。
相田さん 途中崩壊の危機にひんしたこともあったそうですが、現在も変わらず続いています。バンザイをする、という点でよくポッと出のサークルに思われてしまうのですが、実はかなり歴史のあるサークルだったりします。
――バンザイ同盟の活動内容を教えてください。
相田さん 基本的には「全国津々浦々のおめでたいところに出向き、さらに面白く、さらにおめでたくする」そして「自分たちも楽しむ」というのが活動の軸になります。
――依頼があればどこへでも駆け付けるのですか?
相田さん どこへでも駆けつけます。
――例えばどこでバンザイを披露されたことがありますか?
相田さん 毎年三重県の牧場から依頼をいただいておりまして、そこで「バンザイ祭り」というものを開いてもらっています。遠いところでは、昨年岩手県の花巻に行き、バンザイを披露しましたね。
――日本の伝統的な文化ですし、海外からの依頼もありそうですが……。
相田さん 個人で海外を旅行した際にバンザイをしたことならありますが、サークルとしては残念ながら海外活動はありませんね。
■バンザイの種類は768もある!
――ホームページには数々のバンザイのバリエーションが掲載されていますが、どれだけの種類があるのでしょうか?
相田さん 現在768種類あるとされています。この数を聞いて「そんなにないだろう」と思う人もいますが、実はあながちうそではありません。OBの方で「バンザイの神」と呼ばれる人がいまして、その人が自分にできるバンザイをリストにまとめたところ少なくとも354パターン以上ありました。そこに、どういった形で行うのかが伝承されなかったいわゆる「ロストバンザイ」も加えると、少なくとも500以上はバンザイのパターンがあることになります。
――そもそも「バンザイ」にそれだけのパターンがあること自体が驚きです。数多くあるバンザイの中で、最もすることの多い人気のバンザイは何ですか?
相田さん やはりお祝い事で披露することが多いので、おめでたい「勝利のバンザイ」は披露することが多いですね。このバンザイは768種類の中で「最も美しい」とされているものです。
勝利のバンザイ
――他にはどんなものがありますか?
相田さん 他には「大海原バンザイ」というものがあります。
大海原バンザイ
相田さん 写真だと分かりにくいのですが、大海原バンザイは非常に動きのあるダイナミックなバンザイです。また、「朝日のバンザイ」もいいですね。
朝日のバンザイ
――複数で行っているものがありますが、最大何人で行うバンザイがあるのでしょうか?
相田さん 基本的にバンザイは5人のチームで行います。ただ、まれにそれ以上の人数、例えば円陣を組んでパフォーマンスを披露する場合などは多くなりますね。
――数多くあるバンザイの中で「これは難しい!」というバンザイはありますか?
相田さん 「横綱バンザイ」と呼ばれるものが難しいですね。
横綱バンザイ
相田さん これは後ろから飛び乗って行うもので、最高難易度に近いものです。こうした持ち上げたり乗ったりする「高さを稼ぐもの」は見栄えが良いので多く作られるのですが、動きも複雑なので難易度は高くなりがちです。
■変わらないことが大事
――768種類もあるバンザイですが、現在進行形で増えていたりしますか?
相田さん 年間10-20のペースで増えています。合宿などでグループに分かれて新しいバンザイを考案したりしているので。
――そうなると思い付いたものがすでにある、ということもありそうですね。
相田さん 何度もあります。ネーミングも動きも似たようなものが出ることがあり、そうした場合は同じ名前でも構わないので作成します。例えば「キノコバンザイ」はすでに3つもあったりします。
――ただ、こうして考えたものが脈々と受け継がれていくのは素晴らしいことですね。40代目として、今後の展望はありますか?
相田さん 時代時代に合わせた面白いものがありますから、伝統に凝り固まっていては新しい面白さについていけません。かといって目先の流行に乗ってしまっても、そのバンザイは伝承されずに終わってしまいます。なので、私たちとしては「基本姿勢を変えないこと」が大事なのではないかと思います。これまでと同じ「面白い場所を見つけて面白い人と出会い面白く盛り上げる」ということをシンプルにやるだけですね。
――ありがとうございました。
早稲田大学でも屈指の歴史と伝統を誇るバンザイ同盟。記事内にもあるように、バンザイ同盟ではお仕事の依頼も承っています。結婚式やイベントなどをバンザイで盛り上げてほしいという人は、依頼をしてみてはいかがですか?
早稲田大学バンザイ同盟のHP
⇒http://banzaibanzai.web.fc2.com/
(中田ボンベ@dcp)