【パリ時事】パリ北部で7日昼(日本時間同日夜)、刃物を振りかざして警察署に侵入しようとした男が警官に射殺された。仏治安当局は男が偽物の自爆ベルトを装着していたことを確認。テロ未遂の疑いもあるとみて調べている。
男は過激派組織「イスラム国」(IS)の旗が書かれた紙を所持。犯行時に「神は偉大なり」と叫んでおり、イスラム過激思想の影響を受けていた可能性が高い。当局は男の携帯電話を分析し、身元の特定や共犯者の有無の確認を急いでいる。
男は電線がつながれた袋を身に付けていたが、専門チームが鑑定したところ、内部に爆発物はなかった。
パリでは1年前の昨年1月7日、風刺紙シャルリエブド本社が過激派に銃撃された。昨年11月のパリ同時テロでは、自爆ベルトを装着した男らが劇場などでテロを起こし、計130人が死亡した。
事件は、オランド仏大統領が風刺紙銃撃から1年を受けたあいさつで「テロの脅威は終わっていない」と注意を呼び掛けた直後に発生。現場付近では居合わせた歩行者を商店などに一時退避させ、近隣の学校で児童の外出が禁じられるなど騒然とした雰囲気に包まれた。