世間には人件費を少しでも減らすために、「残業記録の過小申告」を強要する企業があるようだ。1月5日、ツイッターにとある男性ユーザーがこんな投稿をしている。
12月分の残業記録を会社に提出したら、上司に「多過ぎる。やり直し」と言われてしまった。そこで残業時間を「ガッツリ」削り、定時の17時に帰った日を作ったら、今度は「不自然だ。やり直し」と言われて再提出を求められたという。
「ガッツリ定時退社にすると一発OK(震え声)」最終的に退社時間を5分刻みで変更し、さらに残業時間を3時間削って提出した。結局「この作業と説教で一時間」もかかってしまい、「日本企業の駄目な所を凝縮したような作業だった」とウンザリしている。もちろん、この無駄な時間もカウントされない。
この投稿は1600件以上リツイートされ、「ブラックすぎる」「就活中の人は気をつけて」といった声があがったところをみると、この会社の話だけではないようだ。
R25が2015年に行った調査でも、20~30代の男性会社員200人に、労働時間を実際よりも少なく申告したことがあるか聞いたところ、48%が「ある」と回答したという。ツイッターにも、
「こういうことって本当にあるよねー」
「うちも全く同じですね。それでも残業時間多すぎて本部から目つけられてます…」
「弊社はだいたい全部をガッツリ定時退社にすると一発OKですね(震え声)」
といった投稿が寄せられた。中小企業特有の問題かと思いきや、一部上場企業の勤務経験がある人も何度か体験したと明かし、「不毛で不健全、かつブラック。こんな無意味な作業、なくなるべきです」と憤っている。
ありのままに申告し、会議で「公開処刑」される人も中には21時まで残業をしたと申請したら、事務に「17時30分から15分の休憩を入れろ」と言われたという人もいた。この人物は医療関係者のようで、「手術中どうやって休むんだよ」とツッコミを入れている。
ツイッターには改変方法に迷うあまり、どういう編集したらいいか分からず「労働基準局に聞けばばっちり…かも」と皮肉なツイートをする人も。もちろん従業員に残業時間を過少申告させて、適切な残業代を支払わないのは違法行為だ。
こうした残業時間の改変が常態化している職場では、やがて再提出する手間が面倒くさくなり、労働者自ら少なめに設定した残業時間を申請するようになるのだそうだ。
「上司は知ってるのにそれについては指摘しないからね。悲しい」
ガールズちゃんねるにも、似たような話があった。事務員として働いている女性は、少ない月は50時間、多い月だと120時間も残業している。しかし残業代をありのままに申請すると「会議で公開処刑される」ため、実際は半分程度の手当しかもらっていないという。
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