教科書を発行する東京書籍(東京)が、検定中の中学校英語の教科書を約30人の教員に見せて意見を聞き、現金1万円を渡していたことが8日、文部科学省などへの取材で分かった。検定中の教科書を外部に見せることは教科書検定規則の実施細則で禁じられている。

 文科省によると、東京書籍は2012年度から使われている教科書を検定中だった10年9月、名古屋市内のホテルで「拡大編集会議」を開催。

 西日本の中学校の英語教員約30人が参加し、その際に検定中の教科書を見せた。同社は参加した教員全員の交通費や宿泊費を負担したほか、意見を聞いた謝礼として現金1万円を渡したという。