妙案が浮かぶでしょうか。
1月8日、ロイターによれば主要テック企業各社の幹部が米国政府から召喚され、ISIS(イスラム国)のネット上での勧誘やプロパガンダへの対策について議論しました。ISISは世界中でTwitterなどのソーシャルメディアを駆使した活動を展開していて、そこに引っかかってISISの思想にのめり込んでしまう若者が後を絶たないのです。
The Guardianによれば、上記の会議への参加企業はFacebook、YouTube、Twitter、アップル、マイクロソフトという主要ソーシャルメディア/プラットフォーム企業のそろいぶみです。政府側はFBIのジェームズ・コミー長官、国家安全保障局のマイク・ロジャーズ長官、ジェームズ・クラッパー国家情報長官、ロレッタ・リンチ司法長官、そしてデニス・マクドノー大統領首席補佐官という、その筋のお偉方たちです。
The Guardianではその会議の議題も入手して公開しています。それは以下のようにソーシャルメディアに重点を置いたものになっていて、もうひとつ問題視されている暗号化の問題はここではメインではないようです。
a. テロリストによるネットでの採用活動や過激化、暴力行為への動員を、どうすれば阻害できるか?b. ISILを弱体化させるコンテンツの制作、公開、拡散をどうすれば推進できるか?
c. 暴力的過激化の道を破壊し、採用活動のパターンを特定し、我々の対テロ活動の評価指標を作るにあたり、テクノロジーはどのように使えるか?
d. テロリストのネット活動によるテロ攻撃への動員、推進、実行をどうすれば阻害できるか? そしてどうすれば、法執行機関や情報機関によるテロリストの特定、攻撃防止を支援できるか?
TwitterやFacebookといったソーシャルメディア企業はすでに「テロリズム」全般を駆逐すべくポリシーを変更し、ISIS関連のコンテンツを削除しています。でもそれ以上に何ができるのかは、よくわかりません。だってISISのリクルーターはひとつのアカウントがブロックされれば新しいアカウントを作ればいいだけなんです。
米国政府のネット上のISIS対策といえば、たとえば「Think Again Turn Away(考えなおそう、戻っておいで)」なるプロジェクトがありますが、その効果はかなり疑問です。そのプロジェクトでは、Twitterなど主要ソーシャルメディアのアカウントで、ISISのイメージダウンをねらった内容をポストしているんです。が、すでにあっち側に心が傾いている人たちに「ISISは赤ん坊や子どもを殺している!」と突き付けても、どうなんでしょうか。
そんなわけで、テック企業から良い知恵が出てくることを祈ります…。
source: The Guardian、Reuters
Kate Knibbs - Gizmodo US[原文]
(miho)