アニメ作品の中には、「純粋なギャグアニメではないけどつい笑ってしまう作品」も数多くあります。ちょっとしたボケやツッコミのせりふ回しが、ギャグアニメ顔負けの作品もあったりしますね。今回は、こうした「純粋なギャグアニメじゃないけど爆笑してしまうアニメ」を、ランキング形式で紹介します。
●1位 『のだめカンタービレ』
指揮者を目指す音大生の千秋真一は、トラウマで音楽の本場ヨーロッパに行くことができず、自分の将来について思い悩んでいました。そんなある日、千秋は酒に酔い自宅の前で寝てしまいます。目覚めるとそこはゴミだらけの部屋。戸惑う千秋ですが、どこからか美しいピアノの旋律が聞こえてきて……。
指揮者を目指す千秋と、千秋に憧れるのだめこと野田恵。二人の成長と恋模様を描いた本作はアニメの他に実写化もされ大ヒットしました。作中ではのだめがボケ、千秋がツッコミの立場になり、ギャグアニメかと思うくらいの笑える展開が登場します。そのうちのだめの「ぎゃぼー」という叫びだけで笑えるようになりますよ(笑)。
本放送:2007年1月11日-2007年6月28日(第1期)/2008年10月9日-2008年12月18日(第2期)/2010年1月14日-2010年3月25日(第3期)
原作:二ノ宮知子
監督:カサヰケンイチ/今千秋(2期以降)
総作画監督:都築裕佳子/兵渡勝/梶谷光春/島村秀一
脚本:金春智子/丸尾みほ/横谷昌宏/土屋理敬/榎戸洋司/大野木寛/吉田玲子
美術監督:小林七郎
キャラクターデザイン:島村秀一
主なキャスト:野田恵(CV川澄綾子)/千秋真一(CV関智一)/フランツ・フォン・シュトレーゼマン(CV小川真司)/峰龍太郎(CV川田紳司)/奥山真澄(CV藤田圭宣)/三木清良(CV小林沙苗)
製作:のだめカンタービレ製作委員会/のだめカンタービレ 巴里編製作委員会/のだめカンタービレ3製作委員会
●2位 『俺物語!!』
巨大な体、驚異的な身体能力、そして正義感にあふれる心を持つが、容姿はイマイチな高校生の剛田猛男。あるとき痴漢から女子高生の大和凛子を助けます。猛男は彼女を見た瞬間に一目ぼれ。同時に凜子も猛男に好意を持つことになりますが、猛男の勘違いから二人の仲はなかなか縮まらず……。
原作は『別冊マーガレット』で連載中の恋愛漫画。愚直で何事にも真摯(しんし)に向き合う剛田猛男ですが、その性格によってさまざまな「笑えるハプニング」が起こります。どのハプニングも、猛男が真剣だからこそ成り立ち、面白いのです。その面白さは純粋なギャグアニメをしのぐレベルです。
本放送:2015年4月9日-2015年9月24日
原作:河原和音・アルコ
監督:浅香守生
総作画監督:濱田邦彦
脚本:高橋ナツコ/高木聖子
美術監督:一色美緒
キャラクターデザイン:濱田邦彦
主なキャスト:剛田猛男(CV江口拓也)/大和凛子(CV潘めぐみ)/砂川誠(CV島崎信長)
製作:「俺物語!!」製作委員会
●3位 『ラブ★コン』
大阪の舞戸学園に通う高校生の小泉リサ。彼女には犬猿の仲ともいえる天敵がいました。天敵の名前は大谷敦士。二人は入学当初から会うたびに言い合いをする仲です。そんな二人ですが、ひょんなことからお互いの趣味が合うことが分かり、それまでとは一転して親友と呼べる関係になり……というストーリー。
『別冊マーガレット』で2001年から2007年まで連載されていた人気漫画が原作。舞台は大阪とあって、リサや敦士などの登場キャラクターはバリバリの大阪弁です。そんなキャラクターたちが繰り広げるテンポ良い物語は、まるで「新喜劇」のよう。鋭いノリとツッコミは、本当に恋愛アニメなのか錯覚するほどです。
本放送:2007年4月7日-2007年9月29日
原作:中原アヤ
シリーズディレクター:宇田鋼之介
総作画監督:真庭秀明
脚本:影山由美/栗山緑/井上美緒/村山功/高橋洋一
美術デザイン:田中里緑
キャラクターデザイン:真庭秀明
主なキャスト:小泉リサ(CV岡村明美)/大谷敦士(CV永田彬)/石原信子(CV東さおり)/中尾平吉(CV徳山靖彦)
製作:TBS/集英社/東映アニメーション
●4位 『スキップ・ビート!』
夢を追い掛けるミュージシャン志望の幼なじみ・不破尚と同居中の最上キョーコ。ある日尚が見事にデビューしますが、その途端に捨てられてしまいます。自暴自棄になるキョーコは、何とか尚に仕返しができないかと思案。そこで思い浮かんだのが「芸能界入り」でした。キョーコは仕返しのためにオーディションを受けることになり……。
『花とゆめ』で2002年から連載中の漫画が原作です。「復讐」がテーマであり、さらに舞台は厳しい芸能界とあってストーリーとしてはややシリアス。しかし、感情豊かで強烈な個性を見せるキョーコを筆頭に、変わり者の登場キャラクターたちがその雰囲気をぶち壊しにするような笑いを挟んでくるのです。
本放送:2008年10月5日-2009年3月29日
原作:仲村佳樹
監督:佐山聖子
総作画監督:熊谷哲矢/音地正行/竹田逸子
脚本:関島眞頼/久保田雅史/大知慶一郎/藤咲あゆな/小山真
美術監督:竹田悠介/篠原理子
キャラクターデザイン:熊谷哲矢
主なキャスト:最上キョーコ(CV井上麻里奈)/敦賀蓮(CV小西克幸)/不破尚(CV宮野真守)
製作:LMEラブミー部
●5位 『けいおん!』
高校に入り、何か部活をしようと考えた平沢唯は、軽音楽部を「軽い音楽だから楽そうだ」と勘違いし入部してしまいます。部室を訪れた唯は勘違いに気付き、入部を取り消そうとしますが、先に入部していた同じ1年の秋山澪、田井中律、琴吹紬は部の存続のために唯を引き止めようと音楽を披露します……。
ガールズバンドブームを巻き起こした作品。ほのぼのとした軽音楽部の日常が描かれており、その中で「シンプルなボケ」が次々と登場します。その笑いは凝ったものではなく、実にストレートなものなのですが、タイミングや間が絶妙でつい笑ってしまうのです。
本放送:2009年4月2日-2009年6月25日(第1期)/2010年4月6日-2010年9月28日(第2期)
原作:かきふらい
監督:山田尚子
総作画監督:堀口悠紀子
脚本:吉田玲子/村元克彦/花田十輝/横谷昌宏
美術監督:田村せいき
キャラクターデザイン:堀口悠紀子
主なキャスト:平沢唯(CV豊崎愛生)/秋山澪(CV日笠陽子)/田井中律(CV佐藤聡美)/琴吹紬(CV寿美菜子)/中野梓(CV竹達彩奈)
製作:桜高軽音部/TBS
●6位 『オーバーロード』
オンラインRPG「ユグドラシル」のサービス終了日、プレーヤーのモモンガはかつての思い出を懐かしむために自分たちのチームの本拠地にいました。そのまま終了時間までオンラインのままでいようとしますが、終了時間を過ぎてもゲームが終わりません。不思議に思うモモンガは、この謎を解くために調査を始めるのでした……。
ファンタジーライトノベルが原作のアニメです。主人公のモモンガはまるでゲームに登場する大魔王のようないでたち。なので普段はその姿のまま威厳のある振る舞いをしていますが、中身はただのサラリーマンなので、ふとした瞬間に素が出てしまいます。その瞬間のギャップが面白く、つい笑ってしまうのです。
本放送:2015年7月7日-2015年9月29日
原作:丸山くがね
監督:伊藤尚往
総作画監督:吉松孝博
脚本:菅原雪絵
美術監督:池田繁美/丸山由紀子
キャラクターデザイン:吉松孝博
主なキャスト:アインズ・ウール・ゴウン(モモンガ)(CV日野聡)/アルベド(CV原由実)/シャルティア(CV上坂すみれ)/デミウルゴス(CV加藤将之)/セバス・チャン(CV千葉繁)/ナーベラル・ガンマ(CV沼倉愛美)
製作:オーバーロード製作委員会
●7位 『桜蘭高校ホスト部』
上流階級のお金持ちの子供しか入れない桜蘭高校。そこへ特待生として入学した藤岡ハルヒは、ある日静かに勉強のできる場所を探して校内を徘徊(はいかい)しているうちに、第3音楽室にたどり着きます。そこは「美少年の男子生徒が女子生徒をもてなすホスト部」が活動する場で……。
人気恋愛漫画が原作ですが、全体的に明るいコメディータッチで描かれています。特にハルヒとホスト部の面々との絡みに笑えるポイントが多く、お金持ちで格好いいけどおばかだったり、常識はずれなところ、また異常な金持ちっぷりも笑ってしまうポイントです。女性向けアニメですが、男性も楽しめるでしょう。
本放送:2006年4月4日-2006年9月26日
原作:葉鳥ビスコ
監督:五十嵐卓哉
作画監督:もりやまゆうじ/逢坂浩司/安田京子/金田尚子/桑名郁郎/工藤裕加/高橋久美子/山本尚志/小谷杏子/小平佳幸/織田広之/菅野宏紀/斉藤英子/倉島亜由美/長谷部敦志/鍋田香代子/板垣敦/本橋秀之/矢崎優子/鈴木伸一
脚本:榎戸洋司
美術監督:中村典史
キャラクターデザイン:高橋久美子
主なキャスト:藤岡ハルヒ(CV坂本真綾)/須王環(CV宮野真守)/鳳鏡夜(CV松風雅也)/常陸院光(CV鈴村健一)/常陸院馨(CV藤田圭宣)/埴之塚光邦(CV齋藤彩夏)/銛之塚崇(CV桐井大介)
製作:桜蘭高校ホスト部製作委員会
●8位 『赤ずきんチャチャ』
平和な魔法の国に大魔王が攻め込み、国王と王妃を石に変えてしまいます。魔王は前国王の魔法の結界で城ごと封印され、娘のチャチャは魔法使いセラヴィーに連れられ何とか城を脱出します。それから数年後、成長したチャチャの居場所を封印中の魔王が知り、抹殺するために刺客を送り込み……。
1992年から2000年にかけて『りぼん』で連載された人気漫画が原作。原作は1話完結のコメディー作品でしたが、アニメでは「チャチャが変身して魔王の刺客と戦う」というバトルヒロインものになっています。しかしコメディー要素は原作以上にあり、バトルものでありながら終始笑っていられる傑作です。
本放送:1994年1月7日-1995年6月30日
原作:彩花みん
監督:辻初樹
総作画監督:渡辺はじめ
脚本:柳川茂/山田隆司/山口宏/三井秀樹/高橋良輔/戸田博史/金春智子
美術監督:小林七郎
キャラクターデザイン:渡辺はじめ
主なキャスト:チャチャ(CV鈴木真仁)/リーヤ(CV香取慎吾)/しいね(CV日高のり子)/セラヴィー(CV泉類亨)/どろしー(CV大坪純子/冨永みーな)
製作:テレビ東京/NAS
●9位 『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』
マナと呼ばれる魔法のような力により平和が守られ、環境問題も解決した世界。住人たちもマナの力を持っており、この力を持たない者は汚らわしい存在として扱われていました。ミスルギ皇国の皇女アンジュリーゼは16歳の誕生日に洗礼の儀を行いますが、そこでマナを持たない者であることが判明。一転して奴隷のような扱いを受けることになり……。
2014年から2015年にかけて放送されたロボットバトルアニメ。マナとは? 世界とは? といったシリアスなストーリーが続きますが、要所要所にいい意味でくだらないネタが挟み込まれ、これが絶妙に笑えるのです。中には非常にきわどい下ネタもあり、さらには次回予告にまでネタを仕込んでくるありさまでした。真面目に見れば見るほど笑える作品です。
本放送:2014年10月5日-2015年3月29日
原作:サンライズ
監督: 芦野芳晴
総作画監督:鈴木竜也/原田大基/小野早香
脚本:樋口達人/木村暢/野崎透/関島眞頼/小林英造
美術監督:小倉一男
キャラクターデザイン:松尾祐輔(キャラクターコンセプト)/小野早香
主なキャスト:アンジュ(CV水樹奈々)/サリア(CV喜多村英梨)/ヒルダ(CV田村ゆかり)/モモカ・荻野目(CV上坂すみれ)/サラ(CV堀江由衣)/ヴィヴィアン(CV桑島法子)/タスク(CV宮野真守)
製作:サンライズ/PROJECT ANGE
●10位 『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』
暗黒メガコーポという巨大企業によって支配された近未来の日本。この日本では「ニンジャ」という存在がいにしえよりよみがえり暗躍していました。平凡な「サラリマン」のフジキドは、ある日ニンジャ同士の争いで妻子を失い、フジキド自身も重傷を負います。瀕死(ひんし)のフジキドでしたが、そこへニンジャを憎む「ナラク・ニンジャ」の魂が憑依(ひょうい)。フジキドはニンジャを殺すニンジャスレイヤーとしてよみがえるのでした。
元は2人組のアメリカ人による小説で、日本の有志が翻訳して公開。その後、日本語版書籍が発売されました。ニンジャSFアクションなのですが、ニンジャが戦う前に丁寧に「アイサツ」をしたり、いわゆる「外国人から見たニンジャ」の姿が描かれています。決してギャグではないのですが、日本人からするとギャグにしか見えない作品です。
本放送:2015年4月16日-2015年10月9日(ニコニコ生放送)
原作:ブラッドレー・ボンド/フィリップ・ニンジャ・モーゼズ
シリーズディレクター:雨宮哲
作画監督:野崎麗子/半田修平/田頭悠郎/長谷川哲也/中澤勇一/大橋圭/前田義宏/窪敏/斉藤健吾/西道拓哉/國松有史/三宮昌太/坂本勝/今田茜/今石洋之/金子雄人/宮井加奈/雨宮哲/パッショーネ(橋本英樹)/スタジオワンパック/アニメアール/Creator in Pack Osaka/BE LOOP/平田雄三/窪敏
脚本:佐藤裕/樋口七海
美術監督:勝田聡/李暎宰
キャラクターデザイン:今石洋之/芳垣祐介/saitom/稲戸せれれ/信じろ
主なキャスト:ニンジャスレイヤー(CV森川智之)/ドラゴン・ゲンドーソー(CV秋元羊介)/ドラゴン・ユカノ(CV種田梨沙)/ディテクティヴ(CV小山力也)/ラオモト・カン(CV津嘉山正種)/ダークニンジャ(CV速水奨)/ダークニンジャ(CV速水奨)
製作:ニンジャ委員会
「純粋なギャグアニメじゃないけど爆笑してしまうアニメ」をご紹介しました。やはり女性向け恋愛作品は秀逸なギャグも多く、つい笑ってしまう展開も多くありますよね。10位の『ニンジャスレイヤー』はちょっと毛色は違いますが、爆笑必至なので機会があればぜひご覧ください。
(中田ボンベ@dcp)