科学者が鼻血を出すようなロマンチックな話。
中国から日本に届く黄砂。その代表的な発生地に黄土高原があります。日本で高原なんて言うとせいぜいハイジが走り回るくらいの広さしか浮かびませんが、黄土高原は40万平方km超の広さ。かるーく日本の国土より広いという高原になっています。1億総ハイジくらい用意しないと走りきれない高原なわけです。
北西部の砂漠地帯から風に巻き上げられた砂塵が南に向かって積もることで出来たこの高原。今、黄土に覆われている部分はだいたい30万平方kmくらいとのこと。そんな黄土高原の形成について調べるため、アリゾナ大学の研究者たちがオルドス高原と黄土高原の境を訪ねたそうです。
ちょっとここからは自分が科学者になったつもりで想像してください。一面に広がる高原、尾根のようになった部分に立って風を感じています。いやー、自然って大きいよね。顔を撫でる風も気持ち良いよ。
...あれ?
これ、風の向きと尾根の向き同じじゃね?
ただ北西の砂漠から砂が降ってきて高原に降り積もってるだけじゃなくね?
高原自体も削られて、高原の別の場所に砂を積み上げてるよね?
それに気付いた研究者は自分の直感を検証するために急いで帰り、Google Earthを開きました。そして高原の北の終わりと南の終わりの地域の尾根を何千カ所も調べてみたとのこと。その結果、見事にそれぞれの地域の風の方向と一致していたそうです。高原は風によって削られ、削り取られた砂塵が高原の別の地域に降り注がれることで形がどんどんと変化しているんですね。
尻尾の部分が巻き上がって頭の部分に合体しながら前に進んでいく日本と同じくらいの大きさのジブリ風の生き物と言えば分かりやすいでしょうか。
...あれ?
今の例えすげー分かりづらくね?
ちょっと混乱してしまいましたが、科学者がひらめきを得る瞬間ってロマンチックですよね。私もジブリ風の生き物に乗ってみたいです。
source: From Dust to Dust: Quaternary Wind Erosion of the Mu Us Desert and Loess Plateau, China, Science Daily
Esther Inglis-Arkell - Gizmodo io9[原文]
(塚本 紺)