これまでに数え切れないほどのアニメ作品が放送されてきましたが、その中には「神アニメ」と評されるほど面白く、また影響力の強い作品があります。例えば『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』といった作品は、ブームを巻き起こし、その後のアニメに多大な影響を与えました。今回は、こうした「神アニメ」と評されている作品を、ランキング形式で紹介します。
●第1位 『新世紀エヴァンゲリオン』
西暦2000年に起きたセカンドインパクトという大災害によって、人口の半分が失われてしまいます。それから15年後、主人公の碇シンジは何年も疎遠だった父・ゲンドウに呼び出され、巨大ロボットに乗って使徒という敵と戦うように言われます。シンジはこれを拒否しますが、そこへ使徒が襲来し……。
1995年から1996年にかけて放送され、大ブームを巻き起こした作品。現在もまだ劇場版シリーズが続いており、その人気は衰えることはありません。当時は使徒が自衛隊のミサイルを破壊するシーンのコマ送り解説が専門誌で特集されるなど、緻密な作画も注目されました。そのブーム性と影響力は、この30年のアニメの中で最大級だといえます。
本放送:1995年10月4日-1996年3月27日
原作:GAINAX
監督:庵野秀明
作画監督:鈴木俊二/本田雄/細井信宏/重田智/長谷川眞也/河口俊夫/黄瀬和哉/花畑まう/鶴巻和哉/摩砂雪
脚本:庵野秀明/榎戸洋司/薩川昭夫/磯光雄/山口宏/樋口真嗣
美術監督:加藤浩
キャラクターデザイン:貞本義行
主なキャスト:碇シンジ(CV緒方恵美)/綾波レイ(CV林原めぐみ)/葛城ミサト(CV三石琴乃)/惣流・アスカ・ラングレー(CV宮村優子)/碇ゲンドウ(CV立木文彦)
製作:テレビ東京/NAS
●第2位 『魔法少女まどか☆マギカ』
中学生の鹿目まどかは、ある日不思議な白い生き物に出会います。その生き物の名前はキュゥべえ。人の言葉を話すキュゥべえはまどかに「魔法少女にならないか」と問い掛けます。戸惑うまどかですが、すでに魔法少女として活躍している学校の先輩と知り合い、次第に魔法少女に憧れを抱くようになり……。
2011年に放送され、前情報と異なるストーリーと衝撃的な展開で話題になった作品。2011年度アニメの中では最も注目されたアニメといっても過言ではないでしょう。一般にも名前を知られるほどヒットし、芸能界にもファンが多いことも有名です。後に制作された映画版もストーリーや作画が高い評価を受けました。
本放送:2011年1月7日-2011年4月22日
原作:Magica Quartet
監督:新房昭之
総作画監督:谷口淳一郎/高橋美香
脚本:虚淵玄
美術設定:大原盛仁
キャラクターデザイン:蒼樹うめ(キャラクター原案)/岸田隆宏
主なキャスト:鹿目まどか(CV悠木碧)/暁美ほむら(CV斎藤千和)/美樹さやか(CV喜多村英梨)/巴マミ(CV水橋かおり)/佐倉杏子(CV野中藍)/キュゥべえ(CV加藤英美里)
製作:Madoka Partners/毎日放送
●第3位 『化物語』
高校3年生の阿良々木暦(あららぎこよみ)は、5月のある日に今まで話したこともないクラスメート・戦場ヶ原ひたぎの秘密を知ってしまいます。実は彼女は「体重がほとんどない」のです。彼女によると不思議なカニに出会い、そのカニに重さを持っていかれたのだとか。実は阿良々木自身も以前に似たような不思議な経験をしており……。
西尾維新によるファンタジー小説が原作で、作画や演出に定評のある人気制作会社「シャフト」が制作を担当しました。原作のせりふや展開は可能な限りそのままアニメにし、そこへシャフトならではの独特な演出を施しています。これが見る者を引き込む魅力を醸し出しています。本作を含む『物語』シリーズはどれも高い人気を誇ります。
本放送:2009年7月3日-2010年6月25日
原作:西尾維新
監督:新房昭之
総作画監督:渡辺明夫
脚本:木澤行人/中本宗応
美術監督:飯島寿治
キャラクターデザイン:渡辺明夫
主なキャスト:阿良々木暦(CV神谷浩史)/戦場ヶ原ひたぎ(CV斎藤千和)/羽川翼(CV堀江由衣)/忍野メメ(CV櫻井孝宏)/忍野忍(CV坂本真綾)/八九寺真宵(CV加藤英美里)/神原駿河(CV沢城みゆき)/千石撫子(CV花澤香菜)
製作:アニプレックス/講談社/シャフト
●第4位 『STEINS;GATE』
秋葉原の一室を拠点とする研究サークル「未来ガジェット研究所」のリーダーである大学生の岡部倫太郎。ある日岡部は友人のダルと共に研究者の講義会に参加しますが、その会場ビルで血だまりの中に横たわる少女を発見します。そのことをダルにメールで伝えますが、その直後に強烈なめまいが彼を襲い……。
「5pb.」から発売された同名ゲームが原作のアニメです。主人公の岡部がさまざまな並行世界を超えて襲い掛かる問題を次々に解決していきます。しかしその過程には大きな犠牲もあり、それを避けることはできません。そうした葛藤を乗り越えた先の予想外かつ熱い展開や、ファンをニヤリとさせる憎い演出も話題となりました。
本放送:2011年4月8日-2011年9月16日(TOKYO MX)
原作:5pb./Nitroplus
総監督:佐藤卓哉/浜崎博嗣
総作画監督:坂井久太
脚本:花田十輝/横谷昌宏/根元歳三/林直孝
美術監督:衛藤功二
キャラクターデザイン:坂井久太
主なキャスト:岡部倫太郎(CV宮野真守)/椎名まゆり(CV花澤香菜)/橋田至(CV関智一)/牧瀬紅莉栖(CV今井麻美)/桐生萌郁(CV後藤沙緒里)/漆原るか(CV小林ゆう)/秋葉留未穂(CV桃井はるこ)/阿万音鈴羽(CV田村ゆかり)
製作:未来ガジェット研究所
●第5位 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』
西暦2030年、高度な情報ネットワーク社会となり、脳に直接情報を送る「電脳化」が一般的となった世界では、複雑・多様化するサイバー犯罪が問題になっていました。そうした犯罪に特化した「公安9課」は、さまざまなサイバー事件を解決していきますが、それらにある共通点が存在することに気付き……。
丁寧な作画、魅力的なストーリー、そして個性的な登場キャラクターたち、全ての面でハイレベルなアニメーションです。特に1話完結型と連続ものの物語が織り交ぜられたストーリー面が秀逸。衝撃的な展開も多く、非常に見応えのある内容になっています。大人が見ても十分に面白い作品といえます。
本放送:2002年10月1日-2003年11月30日
監督:神山健治
脚本:神山健治/藤咲淳一/櫻井圭記/佐藤大/菅正太郎/寺戸信寿
作画監督:海谷敏久/丸山宏一/後藤隆幸/佐藤雅弘/山口賢一/植村淳/新野量太/須賀重行/浅野恭司/前田明寿/村田俊治/中村悟/樋口香里/木崎文智/玄馬宣彦/川原智弘
美術監督:竹田悠介
キャラクターデザイン:下村一
メカニックデザイン:寺岡賢司/常木志伸
主なキャスト:草薙素子(CV田中敦子)/荒巻大輔(CV阪脩)/バトー(CV大塚明夫)/トグサ(CV山寺宏一)/イシカワ(CV仲野裕)/サイトー(CV大川透)/パズ(CV小野塚貴志)/ボーマ(CV山口太郎)/タチコマ(CV玉川紗己子)
製作:攻殻機動隊製作委員会
●第6位 『CLANNAD ~AFTER STORY~ クラナド アフターストーリー』
けがが原因でバスケットボールの道を諦めた岡崎朋也は、高校の演劇部の再建を目指す古河渚と出会います。二人は友人たちとともに充実した学園生活を送りますが、3年の2学期になり、進路について考えないといけなくなり……。
PC用の恋愛アドベンチャーゲーム『CLANNAD』が原作のアニメ。この『AFTER STORY』はいわゆる2期に当たり、1期に相当する『CLANNAD』も高い評価を受けています。しかしこの『AFTER STORY』の方が泣ける展開が多く、「CLANNADは人生」といわれているのが納得できる内容です。絵柄から萌えアニメだと思う人もいますが、大人の方が心にクること必至です。
本放送:2008年10月2日-2009年3月26日
原作:Key/ビジュアルアーツ
監督:石原立也
総作画監督:池田和美
脚本:志茂文彦
美術監督:篠原睦雄
キャラクターデザイン:池田和美
主なキャスト:岡崎朋也(CV中村悠一)/古河渚(CV中原麻衣)/藤林杏(CV広橋涼)/春原陽平(CV阪口大助)/岡崎汐(CVこおろぎさとみ)
製作:光坂高校演劇部/TBS
●第7位 『トップをねらえ!』
広い宇宙へ進出するようになった人類の前に、「宇宙怪獣」と名付けられた宇宙生物群が襲い掛かります。人類は人型の戦闘兵器を作り、宇宙怪獣に対抗します。主人公のタカヤ・ノリコはそんな戦闘兵器のパイロットを目指し、沖縄にある養成学校で過酷な訓練を行うことになりますが……。
1988年に全6話のOVAとして発売された作品。本作の魅力は「とにかく熱血」であることです。メーンで戦うのはノリコをはじめ女性ばかりですが、彼女たちが見せる「熱さ」や「情熱」は、見ている側をも巻き込み心を熱くさせてくれます。そのあまりの熱さに涙する人も多いでしょう。
発売:1988年
監督:庵野秀明
脚本:山賀博之/庵野秀明
作画監督:窪岡俊之/森山雄治/貞本義行
美術監督:菊地正典/佐々木洋
キャラクターデザイン:窪岡俊之、美樹本晴彦(キャラクター原案)
主なキャスト:タカヤ・ノリコ(CV 日高のり子)/アマノ・カズミ(CV佐久間レイ)/ユング・フロイト(CV川村万梨阿)/ オオタ・コウイチロウ(CV 若本規夫)/タシロ・タツミ(CV大木民夫)/ヒグチ・キミコ(CV渕崎ゆり子:第1話、CV勝生真沙子:第5-6話)/副長(CV西村知道)/スミス・トーレン(CV矢尾一樹)/カシハラ・レイコ(CV勝生真沙子)
製作:バンダイ/ビクター音楽産業
●第8位 『涼宮ハルヒの憂鬱』
平凡を愛するごく普通の高校生であるキョンは、入学直後に宇宙人や異世界人、超能力者との交流を求める変人・涼宮ハルヒと出会います。ひょんなことからハルヒに気に入られたキョンは、彼女に振り回されて普通ではない日々を送ることになり……。
2006年に放送された人気ライトノベルが原作のアニメ。レギュラー放送時は「作品内の時系列順に放送されない」といった驚きの手法で公開されるなど注目を集めました。もちろん奇をてらっただけでなく、作画のクオリティーの高さや巧みな演出も評価され、2000年代中盤を代表する名作とまで評されるようになりました。
本放送:2006年4月2日-2006年7月2日(第1期)/2009年4月2日-2009年10月8日(第2期)
原作:谷川流
監督:石原立也
総作画監督:池田晶子/西屋太志
脚本:石原立也/武本康弘/村元克彦/志茂文彦/山本寛)/賀東招二/ジョー伊藤/谷川流
美術監督:田村せいき
キャラクターデザイン:池田晶子
主なキャスト:キョン(CV杉田智和)/涼宮ハルヒ(CV平野綾)/長門有希(CV茅原実里)/朝比奈みくる(CV後藤邑子)/古泉一樹(CV小野大輔)
製作:SOS団
●第9位 『プラネテス - ΠΛΑΝΗΤΕΣ』
宇宙開発が進み、宇宙での資源開発が商業化されている2070年代の世界が舞台。宇宙のゴミである「デブリ」の回収作業を担当しているサラリーマンのハチマキは、「自分だけの宇宙船を持つ」という夢を追い求め貯金生活を送っていました。そんなハチマキの元にある日タナベという新人が配属さることになり……。
この作品が最も評価されている点は、引き込まれ夢中にさせられるストーリーでしょう。前半と後半で色がガラッと変わるので、「前半だけいい」「後半こそ全て」「全部最高」とファンの間でも議論が交わされていますが、それほど魅力があるということです。何度でも見たくなる最終回も注目です。
本放送:2003年10月4日-2004年4月17日
原作:幸村誠
監督:谷口悟朗
作画監督:米山浩平/中田栄治/中谷誠一/竹内進二/池田有/千羽由利子/斉藤久/植田洋一/寺岡巌/坂本修司/高瀬健一/工藤昌史/しんぼたくろう
脚本:大河内一楼
美術監督:池田繁美
キャラクターデザイン:千羽由利子
主なキャスト:星野八郎太(CV田中一成)/田名部愛(CV雪野五月)/ユーリ・ミハイロコフ(CV子安武人)/フィー・カーマイケル(CV折笠愛)
製作:サンライズ/バンダイビジュアル/NHKエンタープライズ21
●第10位 『コードギアス 反逆のルルーシュ』
超大国「神聖ブリタニア帝国」が世界の3分の1を支配する架空の世界が舞台。とある事情でその身を追われたブリタニアの王族ルルーシュは、身分を隠し、エリア11と名付けられた旧日本地域の学校に通っていました。そんなある日、ルルーシュはC.C.という謎の少女と出会います……。
「もしかしたらあり得るかもしれない」という世界観と、魅力的なストーリーが受け、放送当初から注目された作品。また、人気漫画家集団のCLAMPがデザインしたキャラクター人気も高く、特に女性から支持されました。物語が収束に向かう終盤の「先の読めない展開」は必見です。
本放送:2006年10月5日-2007年3月29日・2007年7月28日(第1期)/2008年4月6日-9月28日(第2期)
原作:大河内一楼/谷口悟朗
監督:谷口悟朗
作画監督:鷲北恭太/木村貴宏/又賀大介/米山浩平/福島秀機/板垣敦/田畑壽之/天崎まなむ/仲盛文/中澤勇一/中田栄治/中谷誠一/池田有/前田清明/川原智弘/千羽由利子/石田可奈/森寛之/松原一之/松井章/小林亮/小暮昌宏/山根理宏/坂本修司/佐々木睦美/佐光幸恵/佐久間健/高瀬健一/高乗陽子/高橋晃/向山祐治/金成范/宮前真一/吉田隆彦/鎌田祐輔/嘉手苅睦/しんぼたくろう/SNIPES
脚本:大河内一楼/吉野弘幸/野村祐一
美術監督:菱沼由典
キャラクターデザイン:CLAMP(原案)/木村貴宏
主なキャスト:ルルーシュ・ランペルージ(CV福山潤)/枢木スザク(CV櫻井孝宏)/C.C.(CVゆかな)/紅月カレン(CV小清水亜美)/シャルル・ジ・ブリタニア(CV若本規夫)
製作:毎日放送/サンライズ/コードギアス製作委員会
「神アニメとされている人気作品」を紹介しました。どの作品もそこまで話数は多くなく、だれることなく見られる点も魅力です。まとまった時間があれば、ご覧になってはいかがでしょうか。
(中田ボンベ@dcp)