日本人は世界で2番目に有給休暇を取らない国民。世界各国を比較したアンケート調査で、そんな結果が出ました。「有休消化に罪悪感」「そもそも支給日数を知らない」。調査からは日本人特有の休みに対する意識が浮かび上がりました。
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支給日数すら知らない日本人
調査はオンラインの旅行会社エクスペディアが、世界26カ国の18歳以上の9273人を対象に2015年10月にネット上で実施しました。日本の有休消化率は、韓国の40%に次いで世界ワースト2位の60%でした。3位はアメリカの73%でした。
【有休消化率】
アンケートでは、有休に対する意識も調査。日本は「有休支給日数」を「知らない」と答えた人が53%と突出して多く、2位の韓国の23%を大きく引き離しました。
【自分の支給日数を知らない人の割合】
休み中も仕事が気になる
「有休取得に罪悪感を感じる」人も、日本はダントツ1位でした。同率2位のアメリカ、インド、韓国は10%でした。理由として多くの日本人があげたのが「人手不足」でした。また休暇中も仕事のことが頭から離れないと答えた人も13%おり、こちらも世界1位でした。
【有休取得に罪悪感を感じる人の割合】
アメリカ、有休取らないけど仕事は満足
同じ有休消化率が低い国でも、「仕事に満足している」では差が出ました。有休消化率世界ワースト3位のアメリカですが、「仕事に満足している」と答えた人は世界ベスト3位の53%もいます。
一方、有休消化率ワースト2位の日本は、「仕事に満足している」ではさらに順位を下げワースト1位の17%に。有休消化率ワースト1位の韓国も「仕事に満足している」は19%でワースト2位になっています。
理由として、休みの質の違いがあるようです。「有給休暇中に罪悪感をまったく感じない」という質問では、「感じない」と答えた人がアメリカ人では70%にのぼったのに対し、日本人は43%にとどまりました。アメリカ人は、休む時は休むというメリハリのある働き方をしているようです。
【仕事に満足している人の割合(ベスト3)】
【仕事に満足している人の割合(ワースト3)】
政府目標は70%だけど…
日本人が有休を取らない実態は、政府の調査でも明らかになっています。厚生労働省が調べた2014年に民間企業や医療法人、社会福祉法人などで、従業員が与えられた年次有給休暇を取った割合は、47.6%でした。
従業員30人以上の6302法人を対象にした就労条件総合調査で、4432法人が答えました。民間企業だけの取得率は47.3%。企業のみを対象としていた前回調査より1.5ポイント低く、15年連続で50%を下回りました。
政府は20年までに70%をめざしていますが、目標達成は遠いのが実情です。