「あなたがこういう質問をすること自体が、本当に残念」「一人の方の本で誹謗(ひぼう)中傷するのは無責任だ」。12日の衆院予算委員会では、民主党の緒方林太郎氏が拉致被害者蓮池薫さんの兄、透氏の著書を根拠に安倍晋三首相が拉致問題を政治利用したのではないかと追及したのに対し、首相が猛反発する場面があった。
緒方氏は、透氏の著書「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」を引用しながら、首相が官房副長官だった2002年当時、帰国した薫さんら5人の北朝鮮への再入国に当初は反対していなかったなどと指摘した。
首相は「当時は北朝鮮に戻す流れだったが、私は断固として反対した。私が言ってることが真実だと(国会議員)バッジを懸けて申し上げる」と色をなし、「私の言っていることが違っていたら、国会議員を辞める」と言い切った。
緒方氏は「首相は拉致問題を使ってのし上がったのか」とも挑発。首相は「大切なことは、全ての拉致被害者を奪還するために全力を尽くすことだ。そういう質問をすること自体がこの問題を政治利用している」と「逆批判」を展開した。