【エルサレム時事】トルコ最大都市イスタンブール中心部のスルタンアフメット地区で12日午前(日本時間同日午後)、大きな爆発があり、少なくとも10人が死亡、15人が負傷した。政府などによれば、死者は全員外国人で、大半はドイツ人とみられる。ダウトオール首相は、過激派組織「イスラム国」(IS)戦闘員による自爆テロと指摘した。
また、クルトゥルムシュ副首相は、容疑者は1988年生まれのシリア人で、シリアから最近、トルコに入ったと述べた。一方、エルドアン大統領は首都アンカラで、「この事件は私たちが団結してテロに立ち向かわねばならないことを再び示した。トルコの(テロに対する)断固とした方針は変わらない」と宣言。AFP通信によれば、事件を受け、ダウトオール首相は治安担当閣僚らによる緊急会合を招集した。
在イスタンブール日本総領事館によると、これまでのところ日本人が巻き込まれたとの情報はない。地元メディアは、負傷者も大半がドイツ人で、ほかにノルウェー人やペルー人、トルコ人が含まれていると伝えた。
爆発現場は、イスラム礼拝所のスルタンアフメットモスク(通称ブルーモスク)やアヤソフィア博物館がある旧市街の歴史地区。日本人を含め多くの外国人観光客が訪れる名所で、一帯は世界遺産に指定されている。爆発後、多数の警察車両や救急車が現場に急行。付近の観光施設は一時閉鎖された。この地区では2015年1月にも警察署を狙った自爆テロが発生し、犯人の女と警官1人が死亡している。