ことし10月3日(月)からNHK総合ほかにて放送される平成28年度後期連続テレビ小説「べっぴんさん」の制作発表がNHK大阪放送局にて行われた。脚本は渡辺千穂が務める。
【写真を見る】渡辺氏は「そろそろ臨月を迎えるため、脚本家としてこのタイミングでこの企画と出合えたことを運命のように感じています」とコメント
連続テレビ小説95作目となる本作は、“お母さん”が主人公。舞台は戦前から戦後の混乱期、そして高度経済成長期の神戸と大阪。財産を没収され、家も焼かれ、出征から戻らぬ夫を待ちながら途方に暮れるお嬢様育ちのヒロイン・すみれが、幼い娘のため、生き抜く手段として“子供服専門店”を立ち上げる。それは子供服に理解の浅い“男社会”の衣料品ビジネスに風穴を開け、ついには宮内庁御用達にまでなっていく。
「子供のため、ママのために」と子供服専門店を創業した実在の人物・坂野惇子(ばんのあつこ)さんとその仲間たちをモデルにしている。
脚本を手掛ける渡辺はドラマ「天体観測」('02年フジテレビ系)で脚本家デビューし、「名前をなくした女神」('11年フジテレビ系)や「ファースト・クラス」('14年フジテレビ系)などで知られる。
渡辺は「このドラマでは、戦争でたくさんのものを失ったヒロインたちが、同じ状況で困っている赤ちゃんやお母さんたちのために、ぶれることなくまい進する、しなやかな女性たちの姿を描きたいと思っています。今、私は臨月なんですけども、出産の準備をしておりまして、今でも役に立つものが、昔の資料に載っているのを見ると、本当に感慨深い思いになります。そういった自分も重ねて書いていきたいと思っております。よろしくお願いいたします」とコメント。
制作統括の三鬼一希は「連続テレビ小説の95作目、大阪放送局制作で40作目となります。戦後、神戸で赤ちゃんの服、子ども服を専門に開業した、坂野惇子さんという方をモデルに、その家族と仲間たちがチーム一丸となって、子ども服作りにまい進し、やがてその子ども服の輪が、日本全国に広がっていく様子を描いていきたいと思っております。朝ドラの伝統である“朝を元気にする”ということを今回のテーマに、新しいドラマを作って、10月から放送していきたいと思いますので、皆さま、よろしくお願いいたします」とアピールした。
タイトルの「べっぴんさん」は、ヒロインが誠実に作り上げる子供服は、それを着せる母親、着る子供にとって、この上ない愛情に包まれた“別品”という意味と、ヒロインの生きる美しい姿そのものを表すダブルミーニングになっている。