インドネシア中部スラウェシ島の南西部で、19万4000年前から11万8000年前と推定される石器を発見したと、オーストラリア・ウーロンゴン大などの国際研究チームが13日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
石器を作った人類の化石は見つかっていないが、同島の南のフローレス島では小柄なフローレス原人の化石が発見されている。ジャワ原人のようなアフリカから進出してきた大柄な原人や、ネアンデルタール人に近く、ロシア南部で化石が見つかったデニソワ人なども候補として考えられるという。
現生人類(ホモ・サピエンス)がこの地域に出現したのは約5万年前と推定されている。
石器の発見場所は、テンペ湖南方の川近く。石を薄く割って鋭い刃のようにした直径4センチ前後の石器が多かった。絶滅したゾウの仲間「ステゴドン」の歯や、スイギュウの仲間の歯なども見つかった。
スラウェシ島は東南アジアとオーストラリアをつなぐ位置にあり、周辺の島でも発掘調査を進めれば人類化石や石器が見つかる可能性があるという。