「慰安婦本」著者に賠償命令=名誉毀損認める―韓国地裁 | ニコニコニュース

 【ソウル時事】韓国の元慰安婦9人が、学術書「帝国の慰安婦」の著者、朴裕河・世宗大教授らに対し、名誉毀損(きそん)で1人当たり3000万ウォン(約290万円)、計2億7000万ウォン(約2650万円)の慰謝料を求めた裁判で、ソウル東部地裁は13日、朴氏に対し、1人当たり1000万ウォン(約100万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。

 元慰安婦らは「自発的な売春婦」「日本軍の同志だった」といった表現が、虚偽事実による名誉毀損に当たると抗議して提訴していた。

 判決は、こうした表現が「原告の社会的評価を下げる具体的事実に当たる」と指摘。「原告が(日本軍の)被害者という事実をゆがめ人格権を侵害している」と結論付けた。

 朴氏の支援者らは「学問の自由の範囲内」と主張している。しかし、判決は「(対象が)生存者の場合は、人格権の保護が学問の自由の保護より重視され得る」と指摘。また「表現は、学問の自由の限界を逸脱したもので、違法だ」と退けた。

 出版元の名誉毀損は認めず、賠償額を請求より減額した。それでも原告側弁護士は判決後、「正確な判断で、歓迎すべき判決だ」と評価した。

 同地裁は昨年2月、出版差し止めを求めた訴訟で、一部表現の削除を命令。朴氏は刑事事件としても在宅起訴されている。