カレー店「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋(愛知県一宮市)が廃棄した冷凍ビーフカツがスーパーで販売された問題で、県警は14日夜、カツを処分せずに転売した産業廃棄物処理会社「ダイコー」(同県稲沢市)を廃棄物処理法違反容疑で家宅捜索した。資料を押収し、横流しの経緯を解明する。県の調査では、壱番屋が昨年8月に廃棄したカツも転売されたことが新たに分かった。
捜査関係者によると、ダイコーは壱番屋に対し、「依頼通り処分した」とする虚偽の産業廃棄物管理票を提出した疑いが持たれている。捜索は関係先を含め数カ所で行ったもようだ。
壱番屋は昨年10月、合成樹脂が混入した恐れのある冷凍カツ約4万枚をダイコーに引き渡し、処分を委託。しかし、ダイコーはめん類製造業「みのりフーズ」(岐阜県羽島市)に転売し、今月11日に愛知県のスーパーで一部が売られているのが見つかった。
愛知県と岐阜県は既に関係先を立ち入り調査。ダイコーは「頼まれて約3万3000枚を売った」と説明し、みのりフーズの担当者は「自分が独断で購入し、転売した」と話したという。
一方、愛知県は14日、壱番屋が昨年8月に廃棄した冷凍カツも、ダイコーが転売していたと発表した。量は約4万枚と推定される。10月の廃棄分と賞味期限の異なるカツが、県内の精肉店で販売されていたことから発覚した。
同県ではスーパー3店舗と精肉店が約8400枚を販売済み。他に弁当の総菜などとして、少なくとも15カ所での販売が確認された。温度管理にも問題があった可能性があり、県は購入した消費者に食べないよう呼び掛けた。