【ミュンヘン(ドイツ)時事】世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会は14日、ドイツのミュンヘンで記者会見し、国際陸連(IAAF)のディアク前会長らがロシア選手のドーピング違反を隠蔽(いんぺい)する見返りに、ロシア側から多額の賄賂を受け取っていたと認定した。
独立委は、昨年11月にロシア陸連の組織的ドーピングを認定した報告書に続き、第2回報告書を発表。89ページに及ぶ資料の中で、IAAFの腐敗体質を厳しく批判した。
その中で、ドーピング問題の広がりが発覚するのを恐れた当時のディアクIAAF会長が、違反の疑いがあったロシア9選手を2013年の世界選手権モスクワ大会に出場させないため、ロシアのプーチン大統領と取引する必要性を訴えていたことも明らかにした。9選手はいずれも大会に出場しなかった。IAAFはロシアのドーピング問題を早い段階で把握しながら、必要な対策を怠っていた可能性が高まった。
独立委は、今回の報告書を国際刑事警察機構(ICPO)に提出した。
独立委は第1回調査報告でロシア陸連の組織的ドーピングを認定し、資格停止を勧告。これを受けて、IAAFがロシアに処分を科したため、解除されなければ、今夏のリオデジャネイロ五輪に出場できない事態となっている。