タレントのベッキー(31)と人気バンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル・川谷絵音(えのん=27)の不倫疑惑に対し、『週刊文春」(文芸春秋)1月21日号が追撃記事を掲載。一度は落ち着きかけた騒動が再燃し、さらには「4億円」ともいわれるCM違約金にも注目が集まるなど事態収拾の気配がまったく見えない状況になっている。
川谷の妻が暴いたベッキーの「ウソ」同誌では川谷の妻が取材に応じ、騒動について「私に黙ってお正月に2人で実家に行ったことが一番ショックでした」と心境を吐露。さらに川谷から現在も電話やメールで「卒論(離婚届)」の提出を催促されている現状を明かした。
それ以上に衝撃だったのが「ベッキーと川谷は別れていない」という関係者の証言。一部スポーツ紙では騒動発覚後に「もう二度と会わない」とベッキーが周囲に漏らし、破局したといわれていた。しかし、同記事によると「互いの事務所同士の話し合いで『卒論を出すまでは会わせない』ということだけが決まっている」とされ、水面下で連絡を取り合いながら互いに励ましあっているのだという。
ベッキーは会見で「(川谷は)友達です」と不倫を否定しており、いわば「文春の記事はウソ」と主張していた。これに対する報復として「文春」は川谷の妻の証言を用意し、ベッキーの発言こそが大ウソであると暴いたことになる。
「文春サイドは当初から川谷の妻を押さえていたらしく、ベッキーに勝ち目はなかった。会見で関係を否定したり、川谷と別れたと周囲に吹聴したりといった行動が裏目に出てしまったといえます。結果、世間ではベッキーに『ウソつき』のイメージが定着してしまいました。もう彼女の言葉をそのまま信じる人はいないでしょう」(芸能関係者)
そもそもホテルで撮影したとされる親密ツーショットや二人そろって川谷の実家を訪れた事実をスッパ抜かれているのに、友達だと言い張ったことに無理がある。バレバレのウソなどつかずに正直に関係を認めていれば「結婚してるのに手を出した川谷が悪い」という同情論が高まり、これほど好感度が落ちることはなかっただろう。
しかし、それでもベッキーには「不倫関係」を認めるわけにはいかない事情があったようだ。
不倫否定の目的は…合計4億円の「違約金」対策ベッキーはCM契約数10社を抱える人気者だった。だが騒動後、即座に太田胃散がCMの打ち切りを決定。さらにローソンがCMの一時取りやめを公表し、子ども写真館『スタジオアリス』は店頭の広告物を順次取り外していくと発表した。1月の契約満了とともに再契約しない方針の企業も複数あり、騒動の代償として大半のCMを失う可能性が高まった。
それだけでも大打撃だが、さらに「違約金」という問題が浮上する。CMタレントが重大な問題行為でイメージを落とし、契約を続けられなくなった際に支払わされるペナルティのことだ。
ベッキーのCMギャラは1本あたり約2000万円といわれ、『女性自身」(光文社)1月26日号では「10本全て打ち切りになれば違約金は合計4億円」との試算が出されている。タレントに落ち度がある場合は「ギャラ金額の倍返し」が基本とされるためだ。
億単位の仕事を失った上に4億円の違約金を支払わされるとなれば、ベッキーが所属する老舗芸能事務所「サンミュージック」の屋台骨が揺らぎかねない。ベッキーは事務所の稼ぎ頭だっただけに、ヘタすれば倒産の危機ともいえるだろう。
この莫大な「違約金」を回避するために、あの白々しい会見が仕組まれたと業界内では見られている。
「CM契約書には『不貞行為』などタレント側の禁止事項が細かく規定されており、それを破った場合は違約金の対象になります。しかし、セーフ・アウトの線引きや金額は『スポンサーと事務所の双方の話し合いで決定する』などと曖昧になっている。事実無根のスキャンダル報道を根拠に違約金を請求されたら、事務所サイドにとってはたまりませんからね。ゆえにベッキーが不倫を否定すれば、スポンサー側が一方的に違約金を請求するのは難しくなります」(芸能関係者)
不倫を認めようと否定しようとスポンサー離れは食い止められない。であれば、違約金を支払わずに済む方を選択した方が利口と考えるのは当然といえば当然だ。
「もし違約金を支払うとしても、本人が否定しているなら話し合いによって減額されるでしょう。事務所が傾くほどの金額にはならない。あのスピード会見は不可解で白々しく映りましたが、世間に向けたものではなく事務所サイドや広告代理店による違約金対策だったわけです」(前同)
2009年に同じサンミュージック所属だった酒井法子(現在は退社=44)が覚せい剤事件で逮捕された際には、CM打ち切りなどによって5億円にのぼる違約金が発生した。支払い能力のない酒井に代わって事務所が全て肩代わりし、莫大な損害を被った過去がある。
あの二の舞になるわけにはいかない……というのがホンネなのだろう。否定発言の印象は最悪でベッキーはタレント生命の危機に陥っているが、それよりも事務所にとっては目先の違約金の方が怖いようだ。
(取材・文/夢野京太郎)