東京で初雪を観測した1月12日、Twitterのトレンドワードに「マスク依存症」が浮上。風邪予防や、花粉症対策といった本来の目的以外に「顔を隠したい」「人と話したくない」といった理由による「マスク依存症」の人が増えていることが指摘されているのだ。
1月7日、臨床心理士の矢野宏之氏が「All About」で、もともとマスクは、社交不安や醜形恐怖(自分の顔が醜いと過度に信じこみ、他人から見られることを恐れること)といった心の問題を抱えている人が着けることがあったが、最近ではそうした問題のない人までマスクを着けることが増えているようだと指摘。口元を隠すことで他者とのコミュニケーションをさえぎるマスクの効果に甘んじているのではないかと問題提起した。これを受けてネット上で「マスク依存症」というワードが拡散した。
Twitterには、
「確かにマスク依存症多い。本人らは風邪とか花粉対策って言うけどさ」
とこれに同意する声が投稿されている。
また、
「マスク依存症?むしろメリットしかないのに何故みんなマスクを着けないのかわからない。病気も貰いにくいし(気のせいだとしても)、電車内でもアホ面で仮眠出来る、ニヤニヤしてもバレない、怪しげなセールスなんかに話しかけられにくい。なんでマスクをつけないのかわからない」
など、「依存症」として指摘されている「顔を隠したい」という動機も、十分なメリットとして、マスクを着用する理由になるという意見も。
一方で、反発する人も多いようで、
「この時期に毎日マスクを使用してる人を総じてマスク依存症というのは的外れな考えだろ」
など、健康管理を考えて着用しているのに、“依存症”という言葉で揶揄されるのは納得がいかないという声が多数投稿されている。ただし矢野氏は、風邪やインフルエンザではなく、心の問題を抱えているわけでもないのにマスクを着けている人にヒアリングした結果として、「マスク依存症」の可能性を述べているのだが、「マスクをしている=マスク依存症」というイメージが早くも独り歩きしはじめているのかもしれない。
花粉の飛散が本格化するシーズン。「マスク依存症」というワードはしばらく話題にのぼりそうだ。
※当記事は2016年01月14日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。