毎年、雨後のたけのこのように新たなスターが登場する韓国芸能界だが、いま韓国メディアの間で、2016年のブレークタレント候補として注目される、ひとりの日本人がいる。それは、ここ最近、韓国での活動を活発化させているモデルのSHIHOだ。
SHIHOの夫である秋山成勲と娘のサランちゃんは、韓国で人気の子育てバラエティ『スーパーマンが帰ってきた』で、14年頃から国民的スターの仲間入りを果たしている。加えて今年はSHIHOが、韓国芸能界全体を席巻するスターになるのではないかと期待されている状況だ。
SHIHOの韓国での活動について、日本では「娘便乗商法」などと批判の声も少なくない。過去には、ネット掲示板にも「反日国で活動ですか」「日本じゃ売れないからね。賞味期限切れたら韓国へ」などといった書き込みもあった。また、公式サイトやインスタグラムでは韓国での活動については一切触れないという姿勢に、批判的な声も少なくない。
ちなみに、韓国メディアの報道によれば、SHIHO自身はかねてより韓国での活動を希望してきたという。ただ、イメージ管理のために、日本の芸能事務所側が韓国芸能界での活躍を制限してきたという事情があったそうだ。現在、SHIHOは夫と共に、BANBOOエンターテインメントという韓国の芸能事務所に所属している。今後、韓国で本格的な活動する用意がいよいよ整った状況だ。
韓国メディアは、異常なほどSHIHOを持ち上げている。例えば、「秋山成勲氏といる時は、懸命に夫をサポートする妻としての魅力を持ち、愛娘サランちゃんといる時は、きれいで優しい理想の母親、そしてモデルとして活躍する時は、韓国芸能人顔負けのかっこいい女性であり、老若男女問わず、幅広い年齢層の人々から支持を得ていると」いった具合だ。中でも、日本でトップを張ったモデルとしての実力は「本物」と大絶賛。実際、韓国ファッション誌やブランド広告への出演依頼は後を絶たないそうで、そのモデルとしての実力は遺憾なく発揮されている。韓国人有名モデルとの人脈も太く、スターへの道を着々と歩んでいるようだ。
一方、ひとつ難があるとされているのが、韓国語の問題だ。本人は勉強を続けているそうだが、「よほど努力しないと、テレビなどで活躍するのは難しいのではないか」と、率直な指摘を寄せる芸能人や関係者も少なくない。昨年末、『KBS芸能大賞2015』という番組のMCアシスタントに抜擢されたのだが、MCを務めた芸人イ・ギョンギュからは「(娘の)サランちゃんのほうが「韓国語がうまいのではないか」というツッコミを受け、会場の笑いを誘う一幕もあった。
実際、韓国で活躍する外国人タレントは皆、韓国語が流暢だ。SHIHOにとって、韓国語の習得は避けては通れない道となりそうだが、果たしてそれを乗り越え、完全ブレークとなるか!?
(取材・文=河鐘基)