ビキニ事件で汚染マグロを廃棄した「第13西丸」船主の長男佐々木大三郎さん(左)と元陸前高田市議の藤井喜八郎さん=2015年11月、岩手県陸前高田市
共同通信社

 1954年に米国が実施した水爆実験によって、第五福竜丸など多数の日本漁船が被災したビキニ事件の関連資料が、東日本大震災の被害に遭った岩手県で津波により流失していたことが16日、関係者への取材で分かった。

 流されたのは、元船員らが自宅に保管していた日誌や船員名簿。厚生労働省が当時の被ばく状況を調べ始めるなど、事件に注目が集まる中、関係者からは「貴重な資料が失われた可能性がある」との指摘が上がる。

 閣議決定や水産団体の内部資料によると、放射能を検出した汚染マグロを廃棄した船は延べ992隻で、少なくとも6隻が岩手県所属だった。