原油先物価格が1バレル30ドルを12年ぶりに下回りました。そんな中、今アメリカではガソリン1ガロン(3.8リットル)が99セントで売られているそうです。安っ!
今週末、テキサス州ヒューストン郊外のガソリンスタンドで目撃された衝撃のガソリン小売価格。なんと1ガロン(3.8リットル)で99セント(約117円)! 日本が1リットル100円前後だから、7割近くも安い。同じ量の水より安いって、どんだけ~!
画像を見た人たちの反応
・1995年の再来か?
・俺が2002年に車に乗り始めた頃は97セントだった
・シェルが99セントなら、他のとこでも同じぐらい安いの?
・今朝のシカゴ郊外では1.74ドルだった
・ペンシルベニア西部では2.15ドル。カリフォルニアはもっと高いんじゃない?
・カリフォルニア州都のサクラメントでは2.79ドル
・カリフォルニアは排ガス規制が厳しくて、特別な燃料税が導入されてたはず
・テキサス北部で1.59ドルだった。このスタンドを見つけないと
・正確には、グランドオープン記念の1日限定価格じゃん
・同じ量の牛乳よりだいぶ安いんだけど。どうなってんの?
・ボトルウォーターを箱買いするより安いよ
・サンキューオバマ!
・石油関連企業の人間にとっては恐怖だよ。俺もそうだけど
・以前勤めていた会社は原油市場と掘削技術研究に利益のほとんどを突っ込んで、結局原油安で莫大な損失を出して、我々は解雇されたよ
・それはあなたの会社だけでしょう。事実、アメリカの原油生産量は増えている
なーんだ、オープン記念の特別価格だったのか。でも通常価格の1ガロン/1.5ドル前後でも、日本の半額以下。これは新車が売れるわけだ。
これだけ安かったら、わざわざ近隣州から買いに来る人もいそうです。アメリカエネルギー情報省のサイト(※)によると、アメリカ国内のガソリン価格の地域差は日本以上に激しくて、一番安いテキサス辺りの1ガロン/1.7ドルに対し、最も高いカリフォルニアでは2.6ドルもします。この価格差は主に税率の違いによるもの。ガソリンの税率は田舎ほど安くて、都市部にいくほど様々な税金がかけられる傾向があります。田舎が多い南部のテキサス州辺りはガソリンが最も安い地域になるわけです。テキサスには世界最大の石油化学プラントがあることも安さの理由に挙げられそう。
「シェール革命」で世界一の産油国になり、昨年末からは輸出国に転じたアメリカ。数年前は「シェールオイルは1バレル50ドル以下になったら採算が取れない」などと言われていましたが、1バレル30ドルでも儲けが出るほどまで技術革新が進んだとみるのが正しいのでしょうか。再生可能エネルギーへの転換を重点政策として掲げるオバマ政権としては、技術革新の遅れたシェール企業が少しぐらい倒産したとしても、原油価格が下がることで恩恵を受ける他の業界が好況になれば問題ないと考えているのかも。目下のところ新車販売とか雇用統計の数字は好調です。
皮肉を込めて言われることの多い「サンキューオバマ!」が、文字通りの肯定的な意味で使われるようになる日も近い?
※:http://www.eia.gov/petroleum/gasdiesel/
画像とソース:『imgur』および『reddit』より引用
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(執筆者: ろくす) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか