内閣府はこのほど、「2014年度国民経済計算確報(ストック編)」を発表した。それによると、2014年末時点の土地や預金などの資産から負債を差し引いた国全体の正味資産(国富)は前年末比2.0%増の3,108兆5,000億円となり、2年連続で増加した。
○家計の資産残高は3年連続増加
内閣府は「為替要因(円安)や直接投資(海外投資)の増加により対外純資産が増加したことや、設備や機械などの有形固定資産が増加したことが反映された」と分析している。
国富の内訳をみると、対外純資産は同12.6%増の366兆9,000億円と、4年連続で増加し比較可能な1980年以降で最高を更新。一方、土地が大部分を占める有形非生産資産は同0.3%減の1,119兆9,000億円と、7年連続で減少した。
国民資産残高(総資産)は同4.2%増の9,684兆4,000億円と、3年連続で増加し過去最大。内訳は、非金融資産が同0.7%増の2,741兆7,000億円、金融資産が同5.6%増の6,942兆7,000億円となった。一方、負債残高は同5.3%増6,575兆9,000億円と、3年連続で増加し過去最大を更新した。
家計(個人企業を含む)の資産残高は同1.4%増の2,727兆1,000億円と、3年連続の増加。内訳は、非金融資産が同0.0%増の1,031兆6,000億円、金融資産が同2.3%増の1,695兆5,000億円となった。それに対して、負債残高は同2.5%増の367兆7,000億円と2年連続で増加し、正味資産は同1.2%増の2,359兆4,000億円と3年連続の増加となった。
(御木本千春)