中国メディア・環球時報は16日、現在建造中であることが明らかにされた中国2隻目の空母について、香港メディアのサウス・チャイナ・モーニングポストが15日に「国際的な安全を守る。中国にとっては絶対必要」とする文章を掲載したと報じた。
記事は、空母が遠距離ミサイルや核兵器、宇宙探索と同様に世界的なステータスを示す象徴としての意味を持つ以上に、国内外の利益を保護し、地域の安定や国際平和を守るうえで重要な役割を果たすと説明した。
そのうえで、中国初の空母「遼寧」はおもに訓練用であること、現在建造中の空母も国産ではあるものの、中国の大型艦艇の設計、建造技術は米国などの先進国にまだまだ劣ると指摘。昨年5月に同国が初めて出した国防白書に盛り込まれた「積極的に地域や世界の安全協力に参加する」との文言を実現するには更なる時間を必要とすると論じた。
そして、「今後数十年にわたり、中国はより多くの空母を建造することになる」、「中国が海洋強国になりたければ、空母は必須。中国の台頭を憂慮するライバルや隣国にとって脅威に見えるかもしれないが、中国政府はグローバルな成長や発展に向けた目標を明確に示しているのだ」と主張した。
中国政府・国防部は昨年12月31日、2隻目の空母を大連で建造していることを明らかにした。すでに以前より国外メディアによって空母建造の情報が衛星写真付きで伝えられていたことから「予想どおり」といった感があるが、中国政府が公式に建造を認めたのはこれが初めてだ。政府が認めたことにより、中国国内メディアが堂々と空母建造について報じ、その正当性や意義について論じる記事を続々と掲載し始めている。今回の記事もその1つといえるだろう。(編集担当:今関忠馬)