IoT(Internet of Things)ベンチャーのウィンクル(東京都千代田区)は、好きなキャラクターと一緒に暮らせるという“ホログラムコミュニケーションロボット”「Gatebox」のコンセプトモデルを開発したと発表した。「主人」となるユーザーが好きなキャラクターの立体像を投影し、会話したり、生活を手伝ってもらったりできる。
「すべてのオタクの夢である、画面の向こうにいたキャラクターとの次元を超えた共同生活を実現する画期的なロボット」としており、今秋にクラウドファンディングで購入予約受け付けをスタートする計画だ。
Gateboxは、ホログラフィック技術と、各種センサーを活用したコミュニケーション技術を組み合わせた円筒形の装置。主人(ユーザー)の行動をセンサーで認識し、朝になると主人を起こし、主人が家に帰って来ると優しく出迎える――といったことが可能だ。インターネットや家電とつながり、今日の天気を伝えたり、風呂上がりにテレビをつけたり──など、ちょっとしたお手伝いが行えるという。
コンセプトムービーに登場するキャラクター「逢妻ヒカリ」は、「ラブプラス」のキャラクターデザインで知られる箕星太朗さんが監修・デザインした。
ムービーでは、Gateboxに逢妻ヒカリが投影され、主人が帰宅してキーを置くと「お帰りなさい、お疲れ様、お仕事がんばったね」と迎えたり、「テレビ見たいな」と話しかけるとテレビのスイッチを入れたり、「おはよう、朝だよ。ほら、起きて起きて」と起こす――といった様子が描かれている。
ロボット市場が拡大する中、「従来の同じ見た目の量産型ロボットではなく、一人一人の趣味嗜好に合った多様性のあるロボットを作りたい」という発想のもと、同製品の開発を始めたという。今後は製品化に向けてコミュニケーション精度の向上に注力し、今秋にクラウドファンディングで購入予約受け付けを始める予定だ。
製品化に向けた採用強化のため、総額約9000万円の資金調達を実施した。インキュベイトファンド、プライマルキャピタル、iSGインベストメントワークスを引受先とする第三者割当増資と各種金融機関からの融資を組み合わせた。
同社は「クレイジーメイカー」をスローガンに「クレイジーで革新的な製品」を生み出すことを志して活動しているという。これまで、同じ趣味の相手とすれ違うと光るスマートフォンアクセサリー「AYATORI」などコミュニケーションを軸としたIoT製品の企画・開発・販売を行ってきた。