いつの時代もゲームというものは、老若男女を惹きつけている。中でも発売から変わらぬ人気を保持しているのが、「ポケットモンスター」ではないだろうか。また、ポケットモンスターはそのストーリ性は勿論、捕まえたポケモンを通信交換できるということも、他にはない大きな特徴の一つである。
最初の頃は、通信交換でしか進化させられないポケモンをゲットするために奮闘したものだが、最近ではパッケージ分けされている他方のポケモンをゲットするために、通信交換が必要な場合もある。中には、攻略のためポケモンを貸し借りするのに通信交換することも。しかし通信交換でトラブルが発生することもあるようだ。
「教えて!goo」には「貸したポケモンが返ってこない!」と訴える質問が寄せられていた。
■ゲームデータに窃盗罪は通用しない!?
質問者は以前、ネット掲示板で知り合った相手に10分だけ自分のポケモンを貸す約束をして、そのまま連絡が途絶えてしまったそうだ。これに対して、回答は法律ではどうしようもないとお手上げの様体である。
「刑法上の罪はありません。民法上も賠償金が0又は裁判等では金額的に持ち出しになります」(h2goamさん)
「お金を払ってやり取りしているわけでもないですし、双方が同意の上でデータを渡しているので窃盗罪は成立しないでしょう」(tonton-triboさん)
ネット掲示板で知り合ったこともあり、相手と直接連絡をとることもできないようだ。しかしポケモン一匹といえど、中にはゲットして育て上げるために相当な時間を費やしたポケモンもいるだろう。そうした場合にも、「ゲームデータだから……」ということで、泣き寝入りすることしかできないのだろうか。
■窃盗罪には、「物」であることが不可欠!
では、具体的にゲームデータの盗難(ポケモンの借りパク)は、法律上どのように処されるのだろうか。そこで法律の専門家たる清水陽平弁護士に解説していただいた。
「所有権は『物』についてのみ生じるところ、ゲーム内のアイテムは電子データに過ぎないため、所有権の対象になることはあり得ません。ゲームのデータについては、ゲーム製作会社が著作権を有するということになります。なお、ゲーム利用者が取得したアイテムについては、単に利用が許諾されているだけにすぎません」
現実はあまりにも非情である。しかし同様のことはオンラインゲームにおけるアイテム交換でも考えられ得る。実際、ポケモンの通信交換よりも、オンラインゲームではより広い範囲の面識のない人々とやり取りすることも多くなるだろう。勿論その分トラブルも増えやすくなる。お金同様、大切なポケモンの貸し借りには慎重になろう。
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