甘利明経済再生担当相は22日午前の閣議後の記者会見で、自らの金銭疑惑について「1週間以内には記憶を確認し、お話しできると思う」と述べた。しかし、野党各党は納得しておらず、安倍晋三首相の施政方針演説が行われる衆院本会議の取り扱いをめぐる協議が紛糾。本会議は午後1時予定の開会が1時間ずれ込んだ。施政方針演説が遅れるのは極めて異例だ。
会見で甘利氏は、「私は法に反するような行為はしていない。職務に専念する」と重ねて辞任を否定。首相から「しっかり説明責任を果たし、乗り切って、職務に専念してほしい」と指示を受けたことも明らかにした。
また、週刊誌で報じられた件に限らず大臣室や事務所で多額の現金を授受することがあるのか問われ、「それはない」と述べた。
一方、萩生田光一官房副長官は衆院議院運営委員会理事会で、甘利氏が速やかに調査結果を報告すると説明した。しかし、野党は甘利氏本人が現金を受け取ったのか、本会議での経済演説冒頭で明らかにするよう要求して与党側と折り合わず、本会議は予定通りに開かれなかった。
民主党の高木義明国対委員長は記者会見で、「本人から一切(納得できる)説明がない。このような異常な状況で演説を聞くわけにはいかない」と述べ、衆院本会議の開会までに十分な説明がなければ、経済演説の際に議場を退席する可能性に言及した。民主党は金銭疑惑を調査するチームの設置を決めた。