石原慎太郎さんが田中角栄元首相に成り代わって一人称で語る小説「天才」
共同通信社

 作家で元東京都知事の石原慎太郎さん(83)が、田中角栄元首相(1918~93年)に成り代わって一人称で語る小説「天才」(幻冬舎)を22日、出版する。若手衆院議員時代の石原さんは「金権政治」を批判するなど「反田中」の急先鋒だった。ロッキード事件や日中国交回復など毀誉褒貶が激しい元首相の波乱の生涯をたどりつつ、その内面描写にも挑んだ異色の小説が話題を呼びそうだ。

 石原さんは後書きで、交通インフラの整備や資源外交、テレビメディアの「造成」など、田中さんの政治的業績の大きさを挙げ、「先見性に満ちた発想の正確性」を現在の日本のありようが証明していると断言。