老人介護のHonorが契約社員を正社員にして株式も付与、そのわけは? | TechCrunch Japan

Andreessen Horowitzが投資している在宅老人介護サービスHonorは、ベビーブーム世代の高齢化を支えるビジネスだ。同社は今、契約社員を正社員にしようとしている。

介護のワーカーを同社はCarePro(s)と呼んでいるが、彼らは正社員になるだけでなく、ストックオプションの権利も付与される。つまり、同社の株を持てる。

CEOのSeth Sternbergはこう語る: “本当は、うちの会社に二種類の人間がいてほしくない。誰もが高齢者を助ける仕事をしているのだし、誰もが成功しなければHonorの成功もない。会社の現実は、ユーザから見た視野の中にある。そしてユーザに提供しているうちのプロダクトは、CareProなのだ”。

とくにUberの成功以来、ソフトウェアをより効率的に使ってサービスワーカーを配置するテクノロジ企業の明確な特徴は、労働者の構造が二層構造であることだ。

ひとつの層は、プラットホームを作るエンジニアや役員、プロダクトマネージャなどだ。もうひとつの層には、大量の契約社員がいる。最初の層の人たちには会社の株式が支給されるが、それは会社の業績次第で無だったり大金だったりする。第二の層の人たちは、個々の契約単位あるいは時間で給与が支払われ、社員福祉や社員特典、失業保険などはない。

この構造は、未来の労働者の保護や福祉はいかにあるべきか、という、まだ結論のない議論を喚(よ)んだ。未来のというのは、フリーランスや契約ベースの労働者がますます増える未来、という意味だ。

もっと面倒なのは、これらのテク企業においても、フルタイムの正社員に比べて契約社員たちは社会経済的な多様性が激しい、という現実だ。Honorの場合は、90%が女性で、その半数以上が非白人、彼らの1/3に要扶養年齢の子どもがいる。そして4人に一人以上が移民だ。私の知るかぎり、契約社員の人種構成や社会経済データを公表しているオンデマンドテク企業は一社もない。

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集団訴訟によってYC出身のクリーニング企業Homejoyが廃業に追い込まれて以来、ShypやLuxeなど数社のテク企業が契約社員労働者を常勤社員にした。労働者の誤分類に対する訴訟は、高くつくことがある。Fedexは昨年の夏、2億2800万ドルの和解金を支払った。

Sternbergによると、彼の決定は全然、これらの圧力の影響によるものではない。今は、決定後の離職者が最初に想像したより少ないので、ほっとしているそうだ。

“うまくいかないよ、と言う人が多かった。CareProたちの60%以上はよそへ移る、と予想していた。でも、蓋を開けてみたら実質ゼロだった。これからは、CareProたちを教育訓練したいし、成長させたいし、昇進の道も開きたい”。

いろんなオンデマンド企業の中でHonorの事業がユニークなのは、このタイプの仕事は本当は代替不可能であることだ。あなたを運ぶUberのドライバーが毎回換わるように、介護労働者をほかの人と簡単に換えることはできない。介護労働者は家族との長いつき合いになることが多く、介護受益者当人の体の状態をチェックしたり、特殊なケアや、食事の世話などが必要だったりするから、専門的な教育訓練が必要になる。

“契約社員に対しては、教育訓練は不可能だ”、とSternbergは語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。