オリンピックに向けて、東京でもどうでしょ?
今週、ニューヨークで初の公衆ギガビットWi-Fiホットスポットがオープンしました。米GizmodoのBryan Lufkin記者がさっそく試してみたところ、あまりにも高速で、スターバックスの無料Wi-Fiの存続が危ぶまれるレベルらしいです。
この公衆Wi-Fiホットスポットプロジェクト「LinkNYC」はすでにお伝えしたように、ニューヨーク市がすべての人に高速インターネットアクセスを提供すべく進めているものです。今週火曜日、最初の4台がベータオープンして使えるようになりました。
このホットスポットは高さ9.5フィート(約2.9m)の直方体で、これまで公衆電話があった場所に設置されています。スマートフォンなどを充電できるUSBの差込口(ただし充電器は付いてません)、市内の地図、緊急電話、米国内へのVonageでの通話機能、そしてWi-Fiがあります。
それも、高速なWi-Fiです。さっそくスピードテストをして、これまでWi-Fiをよく使ってきた場所と比べてみました。LinkNYCのホットスポットは15丁目とサード・アベニューの交差点にあるもの、比較対象はスターバックス、ニューヨーク市営地下鉄のプラットフォームです。優勝はLinkNYC、それもダントツです。
LinkNYCでテストした結果がこちらです。
対して、その真隣にあるスターバックスはこのありさまです。
ニューヨーク市営地下鉄の14th Street駅、Fトレイン、Mトレインのプラットフォームはこんな感じです。
つまりLinkNYCは、既存のニューヨークの公共インターネットの10倍、スターバックスと比べると無限倍の速さです。
公衆無料Wi-Fiがこれだけ速いとなると、スターバックスとかバーンズ&ノーブルとか、「Wi-Fi無料」が売りだったお店がどうなっちゃうのか気になります。今まで、自宅でも会社でも図書館でもない場所でパソコン作業しようとしたら、ラテを買うしかなかったんです。しかもLinkNYCのスポットはこれから12年間で7,500台にまで増える予定です。それぞれサービス範囲は最大400フィート(約120m)の距離で、つまりサービス圏内から外れることがほとんどない状態になります。
とはいえ、LinkNYCはみんながそこでネット動画を見たりするという想定では作られていません(LinkNYCの人は、システム的には可能と言ってましたが)。このホットスポットは、メールチェックとかニューヨークの地図のダウンロード、ちょっとしたSkype通話といった、一時しのぎ的な使い方のためにできているんです。
LinkNYCが始まって、ニューヨーク市とスターバックスなどのお店の関係が気まずくなるかどうかはまだわかりません。さしあたりこれらのユニットはまだテスト中だし(緊急電話やVonageでの通話、地図はまだ使えません)、クアーズ・ライトとかCitibankとかの広告が目立っていて、ただの看板みたいにも見えます。でももうWi-Fiは、メールアドレスを入れるだけで使えます(ユーザーの個人情報は外部には絶対出さないと言われてます)。ちなみにブロックされているWebサイトもないので、職場や家では見られないような画像を見たりするのも可です。わざわざ外で見るってのもナンですが。
ニューヨーク市ではこれから毎日最大10台のユニットを設置する予定で、7月までには500台が目標とされています。なかなか大盤振る舞いですね!
Bryan Lufkin - Gizmodo US[原文]
(miho)