女性誌をたくさん見て、お気に入りの洋服を選ぶことと、合コンや飲み会に頻繁に参加して彼氏を選ぶことは、おなじことです。
ようするに、選択肢をたくさん知っていれば、そのなかから1つくらいは、心に引っかかるものと出会える……こういうことですよね。
でも、たくさんの「男のサンプル」を見聞きしている女子は、ソッコーで付き合ってソッコーで別れるというのも、よくある話で、そこに恋愛の本質はないのでしょう。
洋服選びがうまい女子は、サイズ感をうまく捉えていますよね。たかだか数百円のセール品のファストファッションを身にまとっていても、「すごく」いい洋服を着ているように見える人というのは、自分のサイズにぴったりな洋服を選ぶのがうまい人です。
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プロのスタイリストさんも、サイズのことをかなり気にすると言います。最近、デニムの裾を少したくしあげて、短めに着こなすファッションが人気ですが、あれだって、何センチたくしあげるともっとも美しく見えるか? ということに、プロのスタイリストさんは気を揉むと言います。
何センチたって、ほんの1センチ前後の差なわけですが、このミリ単位から1センチちょっとの差が「ものすごく大きなちがい」なんだそうです。
つまり、自分にフィットするサイズの洋服を選ぶというのと、男選びはおなじことです。そして、これがもっともむずかしいことのように思います。
自分にフィットするサイズのTシャツを、うまく選べている女子は「朝飯前」だろうと思いますが、世の中には、どこでどんなTシャツを買おうと、丈が少し長い(短い)とか、ダボッと野暮ったく見えてしまうという悩みを抱えている人って、案外多いと見えて、ジャストフィットのTシャツ選びを指南しているサイトもあるくらいですから……。
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少々値の張るお店でTシャツを買うと「それなりに」フィットするサイズになっていたりもしますが、それこそ「ちょっと値の張る」男と出会うのは、これまたむずかしいですしね。
じゃあ、どうするべきなのか?ひとつは、若いうちの恋愛は、自分を知るための重要な通過点だと割り切ってしまうことだろうと思います。恋をしている当の本人は、もちろん「今の彼は、ただの通過点にすぎない」なんて思えないと思いますが(そう思える女子のことを、世間の人は、短く「ビッチ」と呼ぶのでは?)、後年、振り返ってみると、あのころの彼が今の私をつくってくれたんだ、というふうに思えたりするものです。
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恋は自分を知ることができる大切なコトです。たくさん洋服を着ないと、自分のサイズにフィットするブランドを知ることができないのとおなじように、いくつかの恋をしないと、自分にジャストフィットする彼氏を選べないように、きっと神様がわれわれをおつくりになっているのでしょう。
洋服を選ぶように、少々冷静に、あるときは大胆に彼氏を選んで、万が一、別れることになっても、深刻に考えないで、次の彼氏を探す……古着を古着屋さんに売り飛ばして、100円にしかならなくても「まあしかたない」と思うように、クヨクヨしない。
こんなふうに、恋を楽しむことができれば、もっと人生が豊かになるのではないでしょうか。たかが恋、されど恋です。(ひとみしょう/ライター)
(ハウコレ編集部)