高速SSDの新たな選択肢、NVMe M.2の「V-NAND SSD 950 PRO」 - 2015 Samsung SSD Global Summit (1) SATA 6Gbpsとは「一桁」違うパフォーマンス

既報の通り、韓国サムスン・エレクトロニクスは9月22日(現地時間)、毎年恒例となっているSSD新製品の発表会「2015 Samsung SSD Global Summit」を韓国・ソウルにて開催。新たに発表された「V-NAND SSD 950 PRO M.2 NVM Express」(以下、950 PRO)とともに、イベントの中心部分にしぼって内容をお伝えしよう。

年々こなれてきているSamsung SSD Global Summit、SSDの新製品とSamsungの最新NANDテクノロジーが披露されるとあって、世界中から多くの報道関係者が集まる。あくまで「機械の内蔵部品」であるSSDを主役として、これだけ大々的なプライベートイベントを開催する(できる)企業は珍しいだろう。

昨年(2014年)のSamsung SSD Global Summitでは、コンシューマ向けSSDとして初めて3次元構造のNANDフラッシュ(3D V-NAND)を搭載した「Samsung SSD 850 PRO」を発表し、3D V-NAND技術の詳細なプレゼンテーションがあった(昨年の記事を参照いただきたい)。2014年と比較すると、2015年のSamsung SSD Global Summitは新しいテクノロジーに関する話題が少なかったため、やや小粒な印象を受ける。

それでも、やはりコンシューマ向けSSDとして初めて、PCI Express Gen3 x4接続、NVMe(Non-Volatile Memory Express)プロトコル、M.2フォームファクタの最新SSD、950 PROが発表されたインパクトは大きい。ベンチマークのデモを見ても、SATA3.0(6Gbps)のSSDとは一桁違うリード/ライト速度だ。950 PROをフルスペックで動かせるプラットフォームはまだ少なく、マザーボードベースでいうと、インテルのZ97、X99、および最新の100シリーズというチップセットを搭載した一部の製品に限られる。このあたりについては、950 PROの実機レビュー&ベンチマークと合わせて、近々まとめてみたい。

SATA3.0(6Gbps)の2.5インチSSD「Samsung 850 PRO」と950 PROのベンチマーク比較(CrystalDiskMark)

950 PROが搭載するNANDフラッシュは、もちろん3D V-NANDだ。垂直方向に32層(レイヤー)を重ね、1チップで128Gbitの容量を実現した第2世代の3D V-NANDとなる。なお、2015年8月に米サンタクララで開催された「Flash Memory Summit 2015」において、Samsungは1チップあたり256Gbitを達成した第3世代の3D V-NANDを発表済みだ。第3世代3D V-NANDについては、今回のSamsung SSD Global Summitでも簡単に触れられた。

■V-NAND SSD 950 PRO M.2 NVM Express
256GBモデル(MZ-V5P256BW) 512GBモデル(MZ-V5P512BW)
フォームファクタ M.2
インタフェース PCI Express Gen3 x4
プロトコル NVMe 1.1
NANDフラッシュ 第2世代Samsung V-NAND(128Gbit/1チップ)
コントローラ Samsung UBX
キャッシュメモリ Samsung 512 MB LPDDR3 SDRAM
TRIM
S.M.A.R.T
暗号化サポート AES 256bit
シーケンシャルリード 2,200 MB/秒 2,500 MB/秒
シーケンシャルライト 900 MB/秒 1,500 MB/秒
ランダムリード(4KB・QD32) 270,000 IOPS 300,000 IOPS
ランダムライト(4KB・QD32) 85,000 IOPS 110,000 IOPS
ランダムリード(4KB・QD1) 11,000 IOPS 12,000 IOPS
ランダムライト(4KB・QD1) 43,000 IOPS 43,000 IOPS
平均消費電力 5.1W 5.7W
最大消費電力 6.4W 7.0W
アイドル時 70mW 70mW
Device Sleep Mode
TBW(Total Byte Written) 200TB 400TB
保証 5年、またはTBWの範囲内
※シーケンシャルアクセスとランダムアクセスは最大値