甘利明経済再生担当相が業者への口利きの見返りに現金を受け取ったと一部週刊誌が報じた問題をめぐり、野党は22日、安倍政権への攻勢を強めた。首相の施政方針演説など政府4演説が行われた衆院本会議は、与野党対立のあおりで開会が1時間遅れた。甘利氏は経済演説の冒頭、「お騒がせし大変申し訳なく思う」と陳謝したが、民主党など野党6党は演説前に本会議を退席した。
首相らに続いて演説した甘利氏は疑惑を招いたことを陳謝した上で、「必要な調査を行い、事実を確認し国民に疑惑を持たれないようしかるべき時期に説明責任を果たす」と重ねて強調した。
本会議に先立ち、萩生田光一官房副長官は衆院議院運営委員会理事会で、甘利氏の金銭疑惑について「28日までには報告したい」と理解を求めた。しかし、野党側は「甘利氏から明確な答えがないままでは演説は聴けない」と反発。民主、共産、維新、改革結集、社民、生活の6党が本会議を途中退席した。
民主党の岡田克也代表は、甘利氏の疑惑に関し「事実だとすれば閣僚としてふさわしくないどころか、法に触れる話で議員としてもふさわしくない」と記者団に述べ、議員辞職を求める可能性に言及した。