誕生してから40年近く経てなお、世の男性オタクたちが憧れるヒロインの一人、『うる星やつら』(作:高橋留美子/小学館)のラムちゃん。そのラムちゃんの“等身大フィギュア”を小学館集英社プロダクションが製品化。1月22日からの注文受付開始を控え、商品の写真を公開したのだが、予想以上の出来の悪さに、多くのファンから戸惑いと怒りの声が上がっている。
“歴代人気ヒロインランキング”といった企画が行われると、ほぼ必ず上位に顔を出すラムちゃんだが、『うる星やつら』の原作連載開始は1978年、アニメは81年放送開始である。名作は読み継がれていくものだし、再放送や劇場版から入ってくるファンも多いだろうが、ファン層の中心はやはり中高年だろう。
若いオタクに比べれば、経済的に余裕がある中高年オタク、元オタクをターゲットにした懐かしの名作をモチーフとした高額商品は多い。例に漏れず、小学館集英社プロダクション“大人の一品”ブランドが発売する「ラムちゃん等身大フィギュア」も100万円(税込み)と強気の価格設定。それでも製作・発売が発表された当初は期待するファンも多かった。
ところが、発表された商品写真を見たファンからは、「なんか違わない?」「顔が違う。誰だこいつ?」「留美子絵ともアニメとも違う」「ポーズもぎこちない」と、違和感を覚えたという意見が多数上がった。中には「俺の青春をけがすな」「でかいだけで、プライズよりも酷い」「海洋堂かオリエント工業に作り直してもらおう」と怒り心頭、という風情の声も。
一方で、「ラムちゃん等身大フィギュア」よりも100万近くも高い、『冴えない彼女の育て方』の「加藤恵 等身大フィギュア」(アニプレックス/税込み198万円)は、限定10体のところ応募者多数につき、さらに10体の追加生産が決定するなど、高額にもかかわらず好調な売れ行きとなっているようだ。「加藤恵 等身大フィギュア」は、アニメ準拠の、いい感じのルックスになっているし、胸周りお尻周りも実に柔らかそうなフォルムになっているし、ストーリーに沿ってパンツもちゃんと白を着用するなど、丁寧に作りこまれている。198万円という価格には驚きつつも、「これは売れるだろうな」とファンも納得の様子。
なぜここまで、ファンからの反応に違いが出てしまったのか。『うる星やつら』の人気を考えれば、実にもったいない話でもある。もし次があるのなら、「これこそ、俺の嫁!」とオタクが周囲に自慢したくなるような逸品が登場することを期待したい。