父親は外で仕事、母親は家で専業主婦――。世代によっては、そういう家庭で育った男女も多いのではないか。昨今は夫婦共働きが多いとされているなかで、先日「教えて！gooウォッチ」では「『誰のおかげで生活できると思ってるんだ？』は正論だと思う」という記事をリリースした。
よく喧嘩の火種として同セリフを聞く人も多いだろう。ニコニコニュースとmixiニュースでも約1400ものコメントが寄せられており、議論が盛り上がっていた。家庭のあり方、夫婦関係、結婚……と、諸々考えさせられる問題だが、実際のところ世論はどう見ているのか。元記事とは違った意見を寄せている声も多数見られたため、今回は改めて本議論を深めてみたい。
■専業主婦は家事の仕事をして当たり前？
ニコニコニュースのユーザーが寄せてくれた意見を遡って覗いてみたところ、まず以下のような意見が目に留まった。
「外の事をしない専業主婦が、家の事をしない夫を悪く言うのはどうかと思う」（月杜さん）、「いや、専業主婦は家事という労働で安定した生活を買ってるんだから働かないとダメでしょ。それがいやなら共働きして家事も分担すればいいだけ」（くりぴんとんさん）
なかには「昔のように洗濯板で洗濯・箒や雑巾で掃除・釜で料理やふろをしてた時代ならまだしも」（roxyさん）という手厳しい意見も見られた。
だが、なかには「『専業』主婦なのであれば家事を全てするのが『仕事』だとは思う。そのかわり休みがないのは旦那も考慮してやるべきとは思う」（土岐さん）と妻に配慮するべきという意見もあれば、「ま『生んで育ててもらってる子どもが、親にはむかのうはどうかと思う』とも読み替えられるな」（at_moon_…さん）という気になる意見も。
夫婦間に小さい子どもがいれば子育てで手一杯という可能性も考えられるが……。「誰のおかげで生活できると思ってるんだ？」というセリフは、言う側も言われる側も気持ちのいいものではないことは確かだろう。
そんなセリフを平気で吐いてしまう家庭では、途端に家族間の関係は冷え込んでしまうのでは……と、心配してしまう人も決して少なくないように思える。
■問題の是非よりも大事なのは感謝の気持ち
ではmixiニュースのユーザーが寄せられた意見はどうだろうか。コメントに賛同する注目順に覗きながら、気になった意見をピックアップしてみた。
「一度言われたことがあるね。『うん。家で家事をしている私のおかげで、外で安心して働けるあなたのおかげよね』って言ったら二度と言わなくなった」
「生活資金は確かに俺が稼いでいるが、それ以外の部分はヨメに完全に依存していて彼女が居ないと何も機能しない。だから立場は対等だと思ってる。それでも尽くしてくれているヨメに感謝」
「働いてるから偉い訳でもないし、家事全部やってるから偉い訳でもない。どちらかが胡坐をかいて偉ぶるから関係がおかしくなる。夫婦関係は主従関係じゃないんだし、『当然』じゃなく『感謝』だろ…って、独身が言っても説得力ねえな」
ほかにも「感謝や尊敬が出来てたら、互いにこんな言葉は出ないんだろうけどね…」という意見があったが、この問題の収集にはこのひと言に尽きるかもしれない。まずは夫婦ふたりが一体となって家庭の軸となることで、始めて家族が出来上がるものである。
この問題も人によって意見は様々あるだろうが、裏を返せば家庭を居心地良くするための方法は夫婦それぞれ違うとも言えるかもしれない。筆者はこう結論付けたが、あなたなら「誰のおかげで～」のセリフにどんな意見を持つだろうか？
柚木深つばさ（Yukimi Tsubasa）