Gravitは、純Webベースのデザインツール | TechCrunch Japan

強力な写真エディターに代わるツールは山ほどあるが、Illustratorのようなツールに代わるものは殆どない。それらしいことはできても、上のような本格的でユニークなデザインを作りたい時はどうだろう。非常に難しい。

Gravitは、クラウドの奥深くに居るツールで、文書、広告、イラスト等をブラウザー内で作ることができる。Alexander Adamが作ったこのアプリは無料で、文書の作成、エクスポートが可能。.svgおよび .epsファイルも編集できる。

Adamは複数のグラフィックデザインエディターを作った経験を持ち、スケーラブル・ベクター・グラフィックとは彼が14歳の時からのつきあいだ。

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彼はHigh-Tech Gründer-Fondsから60万ユーロを調達した他、会社を立ち上げた際に自己資金30万ユーロを投入している。アプリはすでに公開されていて、毎日8万件のデザインが、このクラウドベースサービス上で作られているという。

「デトロイトのウェイン州立大学からも支持を受け、Adobe製品からGravitに乗り換えてもらった。他の大学へも広めている」と彼は言った。Gravitは、iOS版Safariを含む最新ブラウザーのすべてに対応していることも特徴だ。スマートシェイプおよびコンパウンドシェイプに対応し、エフェクトやフィルターもある。

「これは『デザイナーのためのGithub』と考えられる」と彼は言った。「人々がコンテンツを公共の場で共有し、Open Design Projectや個人制作のチームと共同作業できるようにすることで、Gravitはデザイナーやクライアントのデザインに対する考え方を変えようとしている」

このプロジェクトは、挑発から生まれた。

「プロジェクトは偶然から始まった。ある日友人たちとウェブの未来について、いつかアプリは全部ウェブに置かれるかについて語り合った。反対した少数の友人らは、反例としてデザインアプリは永遠にウェブに載らないと言った。彼らの間違いを証明するために、私は自分の意見を支持するものを探し始めた。純粋にウェブベース(非Flash)のデザインツールを見つけることに失敗した私は、自分で作ることにした」とAdamは言った。「数週間後、Gravitを作って彼らの間違いを証明した」

もし私のような無能でも、次期電子書籍大作の表紙を描けたなら、私も納得だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook