「はめられた」与党に同情論=野党は攻勢強める―甘利氏疑惑 | ニコニコニュース

 金銭授受疑惑が浮上した甘利明経済再生担当相に対し、自民党内には「わなにはめられた」(高村正彦副総裁)との同情論も出ている。甘利氏を「被害者」と印象付けることで、野党からの追及圧力をかわす狙いがあるとみられる。ただ、こうした主張に、野党側は「無責任だ」(共産党の山下芳生書記局長)と反発を強めており、攻撃の手を緩めない考えだ。

 安倍晋三首相は25日、首相官邸で甘利氏と面会。今後の対応について意見交換したとみられる。この後、首相と会った河村建夫衆院議院運営委員長(自民)は、記者団に「(首相は)心配していたが、われわれとしては乗り切ってもらいたいという話をした」と語った。

 政権サイドは、業者側が甘利氏との会話を無断で録音して「証拠」と主張していることに着目。政府関係者は「相手は相当悪質だ」と批判した。高村氏は23日の民放番組で、「まさにわなにはめられた。攻撃側が用意周到にストーリーをつくっている」との見方を示した。

 甘利氏も25日夜の記者会見で、業者側について「最初から隠し録音をし、写真を撮ることを目的とした人たちだから、こちらは慎重にやっている」と述べ、不信感をあらわにした。

 甘利氏は自らの疑惑について、28日までに説明する意向。政府・与党はこれを踏まえて今後の対応を検討する。野党は速やかに説明責任を果たすよう攻勢を強めているが、自民党幹部は25日、「調査には時間がかかる」と反論した。

 甘利氏が進めている調査内容が今後のカギを握るが、政府関係者は「甘利氏自身はカネを受け取っていないということは言える」と明言。政権側では、調査の焦点は秘書と業者の関係にあり、整合性の取れた説明ができれば、続投可能との見方も広がる。

 これに対し、民主、維新両党は25日、合同で設置した疑惑追及チームが初会合を開き、独自調査に乗り出した。維新の党の柿沢未途氏は、高村氏発言について「はめられた、と言い張れば賄賂を受け取っても不問にできるのか」と批判。別の出席者も「仮に(業者側の)策略としても、実際にお金をもらって動いたら犯罪が成立する」と違法性を指摘した。