日本映画製作者連盟(映連)は26日、都内で記者発表会を開き、2015年(平成27年)の全国映画概況を報告。総興行収入は2171億1190万円(前年比104.9%)で2000年以降で2番目の好成績となり、総動員数は1億6663万人(前年比103.4%)となったことを発表した。同連盟の岡田裕介会長は、好成績を残した理由について「もう1年くらい(流れを)見させてもらわないと(理由が)わからない」としつつ、「映画に対しての“有料アレルギー”がなくなってきたのかなと思う」と分析した。
『妖怪ウォッチ』が『スター・ウォーズ』を抑え動員1位 選択に悩む“親子の葛藤”
2015年に日本国内で公開された作品は邦画581本(前年比-34本)、洋画555本(同-14本)の合計1136本で、構成比は邦画が55.4%、洋画が44.6%となり、洋画シェアの回復が顕著となった。
岡田会長は、好成績を残した理由について分析を求められると「テレビがやや停滞しているので、若者がネットにうつり、そこから映画も増えている」といい、「映画に対しての“有料アレルギー”がなくなってきたのかなと思う。ネットはお金がかかっているし、ユーザーが無料のテレビ、映画という観点から変わってきている。もう1年くらい分析させてもらいたい」と話した。
洋画シェアの躍進については、「アメリカを中心にして新たな企画、劇場の設備とあいまったイベント的な映画が増えて成功している。アメリカも力的には落ちていたと思うけれど、近年は作品自体に力を持ってきた。日本映画が落ちたのではなくて、外国映画が上がってきてその分押し上げてくれた。ここで日本映画が元のシェアに戻るよう頑張っていけばどんどん増えていって、両方がいい意味で競争していかないといけない時代に入った」と見解を述べた。
邦画の興行収入は、劇場版『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』が78億円で首位。邦画トップ10のうち、6作品がアニメ作品を占め存在感を示した。東宝の島谷能成社長は「今や実写やアニメ、邦画、洋画のカテゴリーは考えないでいいのでは」とコメントした。
◆2015年興行収入上位10作品(2016年1月)
◆2015年邦画興行収入上位10作品(2016年1月)