鶏肉はヘルシーなお肉として女性に人気が高いですよね。お値段も安いものが多いので、家計にもやさしいです。ところでそんな鶏肉、日本での消費量が増えてきているのをご存じですか? 今回は鶏肉の消費量に焦点を当てて、総務省統計局の「家計調査」データを見てみましょう。
■鶏肉消費量は10年で4.6kg増加
鶏肉の年間消費量は2004年では1世帯あたり10,849gでしたが、2014年では15,493gになっており、約4.6kg増えています。ひと月あたりに換算すると、約400gほど多く購入するようになったといったところですね。
鶏肉の値段が上がっているわけではないので、純粋にたくさん鶏肉を食べるようになったという習慣が伺えます。身近なところでは、ささみや胸肉のヘルシーさが見直されるようになったり、手羽先や鶏天といったご当地グルメが全国的に知られるようになったことも影響しているかもしれません。
■鶏肉消費の多いのは九州
そんな鶏肉の消費が多いのは西日本、それも九州が圧倒的です。2012年から2014年を平均したデータによると、全国平均で年間15,081gの鶏肉を購入しているのに比べて、トップは福岡市の20,495g、次いで熊本市、広島市、大分市、鹿児島市となっています。上位20政令指定都市の中で東日本は札幌市だけと、圧倒的に西日本の鶏肉購入量が多いことがわかります。
九州は、日本の中で最も大陸に近い場所にあるため、古くから外国との交流がさかんでした。そのため、鶏肉を食べる文化として水炊きや筑前煮がポピュラーになっており、そこにさらに昨今の唐揚げブームがのってますます鶏肉消費が増えたと見られます。
ちなみに購入する鶏肉の単価は100gあたり約94円となっていて、牛肉の約320円、豚肉の約140円と比べて安いことも、購入の動機付けになっているかもしれませんね。鶏胸肉や手羽元は100gで60円なんかで売られる場合もあるので、支出を切りつめたいときには鶏肉の出番が増えるでしょう。
■生鮮肉の消費は西日本が多め
鶏肉の消費は西日本が多かったのですが、実は生鮮肉全体で見ても西日本が比較的多く食べています。生鮮肉の購入量の全国平均は44,708gですが、トップの福岡市は53,911g、次いで和歌山市の52,876g、熊本市の51,811gと続きます。上位10政令指定都市の中で東日本は札幌市と青森市、川崎市、横浜市となっています。
ちなみに消費量を重さではなく金額で見ると、全国トップは和歌山市の85,809円となり、全国平均62,826円を約37%も上回るほど多く購入しています。これはおそらく、和歌山県の牛肉消費量が全国トップのため、金額が引き上げられていることが原因でしょう。牛肉は近畿地方で多く食べられており、上位7位までが全て近畿という徹底ぶりです。
いかがでしょうか。普段どんなお肉を買っているのかを考えながらデータと比べてみると、地域ごとの特徴が見えてきてとても面白いですね。
(ファナティック)