AFC U-23選手権カタール2016(オリンピック・アジア最終予選)準決勝が26日に行われ、U-23日本代表とU-23イラク代表が対戦した。
日本はグループステージで朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、タイ、サウジアラビアに連勝し、3戦全勝の1位通過で決勝トーナメントに進出。準々決勝ではイランを破り、上位3位に与えられるリオデジャネイロ・オリンピック出場権獲得に王手をかけた。この世代にとって準決勝で対戦するイラクは、AFC U-19選手権2012、AFC U-22選手権2013のベスト16と、2014年の第17回アジア競技大会グループステージで敗れた因縁の相手。今試合で勝利し、雪辱を果たしたして6大会連続の五輪出場を決めたいところ。なお、敗れた場合でも、3位決定戦でカタールと韓国の敗者に勝利すれば、出場権獲得となる。
チームを率いる手倉森誠監督は、イラン戦のスターティングメンバーから4名を変更し、MF南野拓実、DF山中亮輔、DF奈良竜樹、そして負傷明けのFW鈴木武蔵を起用。また、左足の付け根に違和感のあったMF遠藤航や、イラン戦で2ゴールのMF中島翔哉らも先発メンバーに名を連ねた。
試合序盤はイラクがチャンスを作る。14分、味方の落としを受けたマフディ・カミル・シルターフがペナルティエリア内左で左足シュートを放つが、枠の右に外れた。24分、敵陣中央の左サイドでFKを獲得したイラクは、エリア内に鋭いボールを入れると、誰も触らず直接ゴールに向かうが、GK櫛引政敏がキャッチした。
押し込まれていた日本だが、最初のシュートで先制に成功する。26分、左サイドを突破した鈴木が、中央へグランダーのクロス。走り込んだ久保裕也が滑り込みながら右足で合わせて、ゴールネットを揺らした。さらに日本は29分、南野がエリア手前中央で相手選手を引きつけて縦にスルーパス。反応した鈴木が右足でシュートを放つが、枠を捉えられなかった。
しかし日本は43分、セットプレーからイラクに同点ゴールを許す。右CKから低く鋭いボールが入ると、ニアサイドの鈴木がダイビングヘッドで対応。ループ気味のボールは後方のゴール左に飛ぶが、GK櫛引が手を伸ばしてかき出す。そのこぼれ球をゴール前のスアド・ナティク・ナジがヘディングシュート。一度はGK櫛引が弾き返すが、再びスアド・ナティク・ナジに頭でゴール左隅に押し込まれた。前半はこのまま1-1で折り返す。
後半に入ってイラクに最初のチャンス。50分、エリア手前中央のアムジェド・アトワン・カディムが右足を振り抜くが、強烈なシュートはGK櫛引が左手で弾き出した。その後はお互いがチャンスを作るものの、得点まで至らず膠着状態が続く。日本は68分、足をつった鈴木を下げてオナイウ阿道を投入。78分には久保を下げて浅野拓磨をピッチに送り出し、勝ち越しゴールを狙う。
イランは82分、右サイドからのクロスに、ニアサイドに飛び出したムスタファ・ナディム・アルシャバニが右足で合わせるが、シュートは枠の右に外れた。このまま延長戦に突入するかと思われた後半アディショナルタイム、日本が劇的なゴールを奪う。南野が右サイドからクロスを供給。相手GKに弾き返されるが、クリアボールを拾った原川が、エリア手前中央で左足を振り抜き、ゴール右隅に突き刺した。
勝ち越しに成功した日本は、直後に中島を下げて豊川雄太を投入し最後のカードを使い切る。試合はこのまま終了し、日本が2-1の勝利。決勝進出で2位以内が確定し、6年連続の五輪出場が決まった。日本は、30日に行われる決勝でアジア王者の座をかけて、カタールと韓国の勝者と対戦する。
【スコア】
【得点者】