若き日本が6大会連続の五輪切符をもぎ取った。アジアで世代最強とも言われたイラクを打ち破り、歓喜に沸いた。
主将の遠藤は「自分たちは勝てない世代と言われてきた」と話す。2012年と14年の年代別アジア選手権、14年のアジア大会とも8強止まり。ここ一番で敗れるふがいなさに、チームは悔しさを募らせた。
敵は自分たちの中にあった。技術は高くとも戦えない。昨年3月の1次予選では、3戦全勝の陰に球際の弱さなど課題が山積だった。昨年12月の中東遠征。2試合とも覇気なく無得点で引き分けると、秋葉コーチは手倉森監督に強い口調で「こいつら、おとなし過ぎますよ」と言ったという。
昨年末の石垣島合宿。首脳陣が継続的に精神面の大切さに働き掛けると、選手たちはようやく目を覚ました。練習で大きな声が出始め、雰囲気も明るくなった。宿舎では食事後すぐに部屋へ戻っていた選手たちが、残って1時間近く話し込むようになった。山中は「自分たち主導で動けるようになった。みんなで戦っている一体感がある」。
14年はU16とU19の両世代が世界大会出場を逃し、昨年はフル代表もアジア・カップ準々決勝で敗れた。手倉森監督が「日本サッカー界全体の挽回に向けて、このチームが先陣を切る」と位置付けた最終予選。たくましく成長した姿を、晴れの舞台でも披露する。