ピッチ外も厳しく指導=人間性重んじた手倉森監督―サッカー五輪予選 | ニコニコニュース

 サッカーのU23(23歳以下)日本代表をリオデジャネイロ五輪に導いた手倉森誠監督(48)は、ピッチ内外で指導を尽くしてきた。

 2014年1月の就任当初から掲げるのは「全員守備、全員攻撃」。守りを先に置いたのは、最終予選がホームアンドアウェー方式ではなく集中開催となり、「僅差で勝てるたくましさと手堅さが必要」と考えたためだ。一時は得点力不足が指摘されたが、着々と守備組織を構築。準々決勝までの4試合はPKによる1失点だけと安定感を生んだ。

 青森県五戸町出身。J1仙台を指揮していた11年3月11日、東日本大震災が起きた。被災地を訪れ、津波に遭った現場ではあまりの被害の大きさにへたり込みそうになった。「当たり前の生活が当たり前じゃないことに気付かされた」。だからこそ、代表チームでも異例の人間教育を行った。座禅を組み、病院を慰問。「自分の感情だけで生きてほしくない」という願いを込めた。

 だじゃれが好きで、ミーティングの最中も笑いを誘う。明るく、しんの通った指揮官の下、「勝てない世代」と言われたチームは腐らずに前進した。「目標を見失うことなく取り組んでくれた結果が実を結び始めた」と手倉森監督。リオでは自身も初めての世界大会に挑む。